最速163キロの“令和の怪物”とも呼ばれる千葉ロッテドラフト1位の新人、佐々木朗希(18=大船渡)がベールを脱いだ。
沖縄県石垣島キャンプの最終日(2月13日)、プロ入りして初となるブルペン投球を行い、25球、キャッチャーは中腰のままだったが、力強いストレートで重々しい捕球音を響かせていた。
「吉井理人投手コーチだけではなく、井口資仁監督も駆けつけ、メディア、ファン、約200人が見守るなかでの投球練習となりました。緊張したとは思いますが、投げることに飢えていたというか、投げたくてどうしようもなかったという雰囲気が漂っていましたね」(スポーツ紙記者)
メディアも見入ってしまったのは、セットポジションから左足を高々と上げるダイナミックな投球フォーム。1月の新人自主トレのタイム走でも苦しそうな表情を見せていただけに、体力不足が指摘されていたが、そんな汚名返上の投球にもなったようだ。しかし、こんな声も聞こえてくる。
「かねてより佐々木を追い掛け、ドラフト指名に失敗したライバル他球団のスコアラーたちは、ちょっと違う感想を持っているようです。あの、左足を高く上げ大きく振るダイナミックな投球フォームは間違いなく長所なのだそうですが、短所にもなりうるというんです」(スポーツ紙記者)
どういう意味なのか。左足を高く大きく動かした力が、最後には右手人差し指と中指に掛かってくる。つまり、昨秋のU-18大会で血マメを潰した原因は体力不足だけではなく、そのダイナミックなピッチングフォームにもあったわけだ。
「足の上げ方を変えれば、長所がなくなってしまいます。この投球フォームを続けるのであれば、血マメのできない丈夫な指になるまで練習をしなければなりません」(スコラアー)
ブルペン投球後、佐々木の指先に関する心配の声は出ていない。しかし、急に指先が丈夫になるとは思えない。やはり、佐々木は大切にゆっくりと育てなければならないようだ。
(スポーツライター・飯山満)