八村塁が五輪でかすむ?WNBAでも大活躍の日本女子選手とは

 先輩の意地で、注目度の“男女逆転”が見られるかもしれない。

 東京オリンピックのバスケットボールは男女ともに「開催国枠」が認められ、男子は44年ぶり、女子は2大会連続での五輪出場となる。普段、バスケにあまり興味のない人も、八村塁のNBAでの活躍は知っている。男子代表チームのメディアでの扱いが増えそうだが、成績であれば女子のほうが結果を残しそうだ。

「前回のリオデジャネイロ大会にも出場した渡嘉敷来夢(JX-ENEOS)に期待大ですね。彼女は東京五輪の得点王争いに食い込んでくる可能性もあります」(専門誌記者)

 渡嘉敷は2015年4月、アメリカの女子プロバスケットボールリーグWNBAのシアトル・ストームと契約。同年の新人ベスト5入りも果たした実力者だ。

「女性で身長が193センチ、WNBAでも活躍したので海外の大きな選手との接触プレーになっても、当たり負けしません」(同前)

 渡嘉敷が持ち味を発揮すれば、チームそのものの上位進出も夢ではないはず。対して、男子は厳しい試合の連続となりそうだ。

 出場枠12カ国中、現時点で出場が確定しているのは、日本を含めて7カ国。その出場国のFIBAランキングを見ると、日本は48位。同1位のアメリカを筆頭に上位国ばかりなのだ。
 
「前回リオでは、アメリカは男女ともに予選から全勝して金メダルを獲得。92年のバルセロナ大会以降、アメリカ男子はNBAのスター選手たちでドリームチームを送り込んでいます」(特派記者)

 なんとか開催国の意地を見せてほしいところだが、目下、五輪バスケに関する世界の注目は、NBAのスーパースター、レブロン・ジェームズが4度目のオリンピック出場となるかどうか。12月に35歳を迎えたレジェンドは、衰えるどころか、アシストでリーグトップを争うなど血気盛んだ。レジェンドと日本チームの対戦を日本で見られるのは興味深い。しかし、ランキング1位対48位では、見せ場を作れずに終わってしまう可能性もある。

 八村の奮闘に期待したいが、五輪本番では世界での実績を持つ渡嘉敷がスターダムに躍り出そうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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