この4月から新しい「車検制度」がスタートしたことをご存知だろうか。
そもそも日本の車検制度は、1930年にタクシーやバスの安全性確保を目的に制度化されたもので、1951年に義務化された。周知のように、一般的な自家用乗用車の場合、初回は3年後、以降は2年ごとに車検を受け、検査に合格すると自動車検査証と検査標章(ステッカー)が交付される。
ステッカーはこれまで、「前方から見やすい位置」とされていたが、2023年から「前方かつ運転者席から見やすい位置」に変更され、多くの車は運転席から見てフロントガラスの右上に貼り付けることになった。
そして、この4月から改正されたのは、「車検を受けられる期間」だ。これまでは、車検証の有効期限満了日の「1カ月前から満了日まで」とされていたが、新制度では、「2カ月前から満了日まで」と、1カ月前倒しされたのだ。
これにより、ドライバーは余裕を持って車検を受けることができ、また、検査をする自動車整備工場側も作業が分散されることで、負担が減ることが予想されている。ふとステッカーを目にし、車検が近いことを知って慌てたドライバーもいるだろうが、2カ月の余裕があれば、焦ることなく対応できるだろう。
だが、SNS上では、以下のような大ブーイングが起きているのだ。
《そもそも2年に1回も必要ないだろ》《日本車なんてめったに壊れないんだから5年に1回くらいで十分》《しっかりと税金を取りたいとしか思えない》《期間よりも税金を軽くしてほしい》
「金食い虫」とも言われるように、車の維持費は決して安くない。ドライバーの多くは、検査期間の前倒しの是非よりも、検査そのものの意義を問いたいようだ。
(ケン高田)