ソースや味噌カツだけじゃない!「とじないカツ丼」の新定番は「玉子が上下」で勢力拡大中

 数ある「丼料理」の中でも1、2を争う人気で、外国人にもファンが多いカツ丼。そのほとんどは、とんかつを出汁汁と玉子でとじたものだが、一方で、「玉子でとじないカツ丼」が御当地メニュー化している地域もある。

 例えば、新潟県の「タレかつ丼」や、福島県の会津地方や長野県、福井県の「ソースカツ丼」、愛知県の「味噌かつ丼」、岡山県の「デミカツ丼」等々、「とじないカツ丼文化圏」は広範囲に及ぶ。

 さらに、最近は首都圏や関西圏を中心として、これらとは別の、新たなとじないカツ丼を出す店が増えているという。

 都内でチェーン展開するカツ丼専門店「#カツ丼は人を幸せにする」は、とろとろに火を通した玉子の上にサクサクの厚切りトンカツを乗せるスタイル。あるようでなかった組み合わせだが、合わないはずがない。

 しかも、この組み合わせを新メニューとして加える既存のカツ丼チェーンや個人店が後を絶たず、この動きは全国に広がりつつあるという。

「ここに来て一気に広がりを見せています。玉子でトンカツをとじる従来型と、とろとろ玉子に乗せるだけのとじないカツ丼は、使う食材は同じ。むしろ、調理工程はとじないほうが手間は少なく、店側にとってもメリットは大きいのです」(フードライター)

 どちらも見た目が似ており、口の中に入れば味はほぼ同じ。それでいて食感の違いが楽しめるため、定番のカツ丼好きにも広く受け入れられているようだ。

「地方のご当地カツ丼も広い意味ではとじないカツ丼ですが、名前は同じでも別の食べ物と捉える人が多い。その点、とんかつ上乗せタイプは玉子が上下にあるだけの違いのため、客側にとっても抵抗が少ないのでしょう」(前出・ライター)

 玉子上下のとじないカツ丼は、「カツ丼の新定番」として定着しつつあるようだ。

*写真は「#カツ丼は人を幸せにする」のとじないカツ丼

ライフ