4月1日に施行される改正道路交通法を前に、自動車免許を取得する費用の「爆上げ」が話題になっている。
教習所の料金は、昭和の時代には「年齢×1万円」が一般的と言われ、現在でも、25万円前後が相場と見られている。
ところが、4月の改正により、MT(マニュアル)車を運転するためのMT免許の取得が「限定解除」方式に変更になることで、最終的に支払う費用が爆上がりしているというのだ。SNS上でも以下のような驚きのコメントが溢れている。
《最寄りの教習所の料金を調べたら、40万位費用がかかることがわかってビックリした》《うちの近所は37万円だった》《私が免許取ったころは17万5000円(AT)だった。今は36万~38万らしくて驚愕した》
物価高とはいえ、なぜ、こんなにも料金が上がるのか。実は、4月からは教習所の運転免許の技能教習と試験はすべてAT(オートマ)車を用いて行われることになり、MT免許のクラッチ、ギヤ操作にかかる項目は、いわば追加オプションで行うことになる。そのため、MT免許を希望する人は、AT車で卒業検定を合格後、さらに教習が必要になり、その分、料金が上がってしまうのだ。
「これまでは、MT車の免許取得費用はAT車限定のそれと比べて1~2万円高で、AT車の限定を解除するための料金が6万円くらいでした。なので、はじめからMT免許を取ろうとする人は1~2万円高で済みました。ところが、4月以降はこれまでの『限定解除』がそのままMT免許取得の条件となってしまうため、結果的に料金が上がってしまうのです」(自動車ジャーナリスト)
現在ではAT免許取得者が全体の約7割を占めると言われる。MT車の運転希望者が「特別な扱い」になるのは、もはや時代の流れなのかもしれない。
(ケン高田)