【愛された助っ人】元楽天・マギーが再来日で巨人に入団した「男気」

 プロ野球・楽天の公式YouTubeに先ごろ、レジェンド助っ人外国人が登場し、ファンから歓喜の声が上がった。

「優勝を知る助っ人達に…銀次アンバサダーがアメリカで突撃取材!」とタイトルを打ったその動画では、楽天のアンバサダーを務める銀次が渡米し、2013年に1年間だけ楽天に所属したケーシー・マギーと対談。マギーはこの年、打率2割9分2厘、28本塁打(リーグ2位)、93打点(リーグ4位)の好成績を記録。チームで唯一全試合出場を果たし、球団史上初のリーグ優勝と日本シリーズ優勝に貢献した。楽天ファンにとっては忘れることのできない助っ人外国人といっていいだろう。

 銀次との対談でマギーは、「仙台でのいい思い出は本当にたくさんあるね」と当時を懐かしみ、日本一になったことで「東北地方の大切な歴史に微力ながらも貢献できたことはとてもうれしこもっている」と笑顔で語った。

 そんなマギーには当時、実は楽天以外からもオファーがあったのだという。マギーは「これから言うことは初めて」と前置きすると、「金銭面でよりよいオファーをしてくれた球団に行くことが妻や家族にとっていいことだと思った」と、当初は別球団に行くことを決めていたという。しかし、ヤンキースで同僚だったアンドリュー・ジョーンズが楽天に入団することなどもあり、最終的に楽天に決めたことを明かした。

 その後のマギーの活躍はファンの知るとおりだが、野球の実力だけでなく、人間性においても稀に見る優良助っ人だった。スポーツライターが語る。

「楽天在籍中、病気を持つ子どもたちを試合に招待し、ジョーンズと組んで本塁打1本につき震災孤児への支援金として5万円を寄付。チームから免除されていた自主トレや休日のトレーニングにも参加するなど、1年ではありましたが影響を受けた楽天の選手は多いですよ。マギーはヤンキースから楽天に移籍前、巨人と契約合意寸前で、土壇場で楽天移籍が決定している。つまり別球団とは巨人だったわけですが、17年に再来日して巨人に入団し、義理堅さも見せました」

 これまで数え切れないほどの助っ人外国人が日本にやって来たが、マギーほど日本を愛し、ファンから愛された選手はいないのではないだろうか。

(ケン高田)

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