若者に大人気だったSNS「Tumblr」が年間赤字40億円に衰退した致命的原因とは

 かつて若者たちから絶大な人気を誇っていたSNS「Tumblr(タンブラー)」が、今では毎年3000万ドル(約42億円)の赤字を計上していることが分かった。一時はポストFacebookやポストTwitterとも言われ期待されていたが、ここまで衰退してしまった原因はどこにあったのだろうか?

「Tumblrのライブストリーミングで、同社CEOのマット・マレンウェグ氏とCOOのザンディ・リング氏が今後の方向性について生配信を行いました。その中でリング氏は『当社は大きな成長を遂げていると印象を持っているかもしれませんが、実際にはそうではありません』と語り、マレンウェグ氏は毎年、収益より約3000万ドル多い支出があることを赤裸々に告白したのです。Tumblrのトップふたりによる非常に興味深いライブストリーミングではありましたが、残念なことに視聴者は最大でも800人しかいませんでした」(ネットライター)

 2007年にサービスを開始したTumblrはブログ型SNSで、オシャレなデザインが人気となり10〜20代の若者を中心に利用者が急増。一時は最もアクティブユーザーが多いSNSとも言われていた。2013年には米Yahoo!が11億ドル(約1200億円)で買収したことも話題になったが、その後はユーザー数が右肩下がりに減っていったのだった。

「Tumblrは見た目がオシャレではあるのですが、使いにくさもあって14年時点ではすでにアクティブユーザーが減少傾向にありました。その後、18年に未成年の不適切画像が掲載されていたことを理由にApp Storeからアプリが削除されると、成年向けコンテンツを完全に削除することを発表。すると、成年向けコンテンツ以外の投稿も誤って排除されるケースが相次ぎ、急激にユーザーが離れていったのです。昨年11月にはイーロン・マスク氏がTwitterを買収したことを嫌ったユーザーによる乗り換えでダウンロード数が急増しましたが、結局は使いづらさからユーザーは再び離れてしまったようです」(ITジャーナリスト)

 Tumblrは昨年11月から成年向けコンテンツの投稿を許可する方針に舵を切ったが、果たして今後ユーザーを増やすことは出来るのだろうか?

(小林洋三)

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