「餓死すれば天国でキリストに会える」ケニア「虐殺カルト教団」のおぞましい教義

 東アフリカに位置し、大自然やマサイ族に代表される豊かな文化で知られるケニア。そのケニアで今、連日トップニュースとして伝えられるが、カルト教団「グッドニュース・インターナショナル教会」による大量殺戮事件だ。

 事の起こりは今年3月。教会の信者を両親に持つ子供2人が親元で餓死したことを受け、地元警察が捜査したところ、同教団の指導者、ポール・マケンジー・ヌセンゲ容疑者から、「餓死すれば天国でキリストに会える」と指示があったことが発覚。ヌセンゲは逮捕されたが、10万ケニア・シリング(約10万円)の保釈金を払い、保釈。しかしその後、ケニア東部のシャカホラの森から、餓死したとみられる4人の遺体が発見され、4月に同容疑者を再逮捕。さらにシャカホラの森を調べると集団墓地のようなものがあり、そこからおびただしい数の遺体がみつかり、7月17日時点でその数は400人を超えた。

 ケニアの日刊紙「ザ・スタンダード」によれば、ヌセンゲ容疑者は3つの村をナザレ、ベツレヘム、ユダヤと名付け、池で洗礼を受けさせた信者らをシャカホラの森に集め、集団断食させていたというが、

「警察による検視の結果では、遺体の多くは飢えが主な死因だったとみられていますが、一部には首を絞められたり、殴られた跡があった。しかも、臓器がなくなっている遺体も多数あり、警察はこの事件に複数の人間が関与した可能性があるとして、臓器売買ルートも含め、調べを進めています」(全国紙記者)

 事件発覚以降、容疑者が所有する東京ドーム70個分に相当する広大なシャカホラの森はすべて封鎖されており、同国のキンディキ内相も会見で「殺人のために聖書が利用され、罪のない市民の殺戮が広がるという事態は容認できない」と強調。国の威信にかけて全容解明を約束したと報じられているが、「悪魔の伝道師」ヌセンゲ容疑者は、警察に逮捕・連行される際も「イエスを褒めたたえよ」と叫び、まったく悪びれた様子もなかったという。

 餓死という最悪の状況で命を落としていった小さな子供を含む被害者たち。彼らのためにも、一日も早い「大虐殺」の全容解明が求められる。
 
(灯倫太郎)

*画像はイメージです。

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