「テロリストの役に立つ?」広島サミット会場の警備態勢を詳報した「めざまし8」が物議

 今月19日〜21日に広島で開催されるG7サミットを前に、現地では厳重な警備態勢が敷かれている。4月に岸田文雄首相の演説会場で爆発物が投げ込まれた事件を受け、警察庁は当初予定していた態勢をより強化。対応する警察官を増員し、周辺では職務質問や所持品検査を徹底的に行っている。広島サミットを前日に控えた18日、フジテレビ系朝の情報番組「めざまし8」では、この厳重な警備の様子を取り上げたのだが、一部の視聴者からは批判的な意見が寄せられてしまった。

 番組ではサミットのメイン会場となる宇品島への立ち入り制限の様子を現地から生放送でレポート。事前に発行された識別証を持った周辺住民であっても、空港の保安検査場さながらの手荷物検査をパスしなければ立ち入ることができない様子を伝えた。

 さらに番組では、宇品島が広島湾に囲まれた小島という立地から、“陸・海・空”のそれぞれから万全な警備を敷いていることを紹介。海からの侵入を防ぐため、高さ3mのフェンスが設置されていることや、警察用船舶が常に航行していること、空からはヘリコプターの巡回だけでなく、気球のような装置が警備に使用されていることなどが明らかに。加えてドローン対策として、ドローンを無力化させる特殊機器を配備していることなど、態勢や使用される機器に至るまで詳細に報じている。

 この放送を見た視聴者からは賛否両論の意見が噴出。《メディアが厳戒態勢を取り上げることはテロの抑止力になる》などと番組に肯定的な意見がある一方で、《警備の作戦を発表してどうすんだ…》《サミットの警備がどんなかなんて、紹介しない方がいいのでは?》《テロリストさん参考にしてくださいって言ってるようなもん》《テロリストの情報収集に役立つ番組》などと、批判的な意見もあがっている。

 岸田首相を狙った爆弾テロ事件も、昨年7月に起きた安倍晋三元首相銃撃事件も、容疑者は特定の組織に属さない単独犯だった。使用された手製の爆弾や銃はインターネットから得た知識をもとに製造することが可能だ。サミットの警備に関わる情報をテレビで詳細に報じることに危機感を覚える視聴者がいるのも頷ける。

(浜野ふみ)

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