廃線危機!「JR久留里線」にはヤバすぎる愛称があった

 千葉のローカル線がにわかに世間の注目を集めている。JR東日本の千葉支社は3月9日、久留里線の一部区間(久留里-上総亀山)の今後について協議をする場を設けるよう、千葉県と久留里線が走る君津市に対して申し入れたと発表した。

 久留里線は昨年7月にJRが収支を公表した際、深刻な赤字が明らかになった路線。久留里-上総亀山間の年間収入は100万円であるのに対し、維持費は2億8100万円。今後はバス転換を視野に入れ、協議していくという。

 不採算が理由で営業路線が廃止されればJRになってから初めてのことで、地元だけでなく多くの人に注目されているのだ。

 そんな久留里線には地元の人だけが使う愛称があると鉄道ライターは言う。

「久留里線の主な利用者は高校生ですが、『久留里線』と正しい名前で呼ぶ人はまずいません。ほぼ全員が『パー線』と呼んでいます。久留里線は1時間に1本のペースで運行しているので、9時台の列車は『9時パー』と呼ばれます。高校生は『帰りの3時パーには間に合わないから、4時パーに乗る。それまで木更津で時間つぶしていかない?』といった感じで使っています」

 廃線が検討されている深刻な事態の路線とは思えない、なんともユニークな愛称だが、なぜこんな愛称がついたのか。

「地元の人によると、『くるりせん』を『クルクル…』という人前で言うのがはばかられる言葉にひっかけて『パー線』となったとのことですが、本当のところはわかりません」(前出・鉄道ライター)

 そんな愛称があることに利用者は嫌がっているかと思いきや、案外そうではないという。

「久留里線は雨や台風、果ては『エンジンの周辺に猫が入った』などの理由で止まることが多く、利用する学生が学校に行けなくなり、やむを得ず休みになることがあるんです。内房線など他の路線はめったに止まらないので、他地域の学生たちにはうらやましがられることもあると聞きました」(前出・鉄道ライター)

 主に通学に利用される久留里線だが、観光で乗るのもいいそうだ。

「全線非電化なので架線がなく、車窓からの景色はとてもいいんです。見えるのは昭和を思わせる田園風景。ぜひ乗ってほしいですね」(前出・鉄道ライター)

 廃線になる前に乗っておいたほうがよさそうだ。

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