板チョコが小さくなっている!? デマ情報の拡散が止まらないワケ

 年々板チョコが小さくなっているから手作りチョコ菓子を作る際には気をつけろ――。

 ツイッターに投稿されたそんな情報に驚きの声が相次いでいる。しかしコレ、まったく事実無根のデマなのだ。

「問題となっているのは、『バレンタインの時期だから注意喚起!』と1月16日にあるユーザーが投稿したツイート。ネット上にある手作りチョコ菓子のレシピに『板チョコ1枚』と書いてあるものは2015年、18年、21年ですべて重さが異なるといい、年々板チョコが小さくなっている弊害が起きていると述べています。しかし、実際には板チョコを発売する明治、森永製菓、ロッテの大手3社は15年以降、一度も量が変わっていないんですよ」(フードライター)

 こうしたデマ情報は少なくなく、20年には不二家の「カントリーマーム」がどんどん小さくなっているといった投稿がSNSに相次いだことも。実際には1996年と2014年の2回しかサイズ変更はおこなっておらず、14年に限っていえば0.5g減っただけで見た目にはほとんど変化がなかったのである。同じく20年にはセブンイレブンのおにぎりが小さくなっていると話題になったが、マネー情報サイト「マネーポスト」の取材にご飯の量は変えていないと担当者がきっぱりと否定している。

「デマが相次ぐ原因は、ステルス値上げが横行していることに他なりません。いつの間にか価格はそのままでサイズは小さく、量は少なくなっている商品が溢れているため、勝手にこの商品も小さくなっていると疑いの目を向けてしまうのでしょう。なお、板チョコが小さくなっていると投稿した人物は、デマであるとの指摘を受けて『グラム単位の値段を見たのと小さい時の記憶で誤った情報を記載しておりました』とよく分からない釈明をしていましたが、これは販売側の不利益になる可能性のあるデマ。あやふやな記憶でデマツイートを投稿して企業に訴えられたなんてことにならないように注意した方がいいと思います」(経済ジャーナリスト)

 ツイッターの情報は何でもかんでも鵜呑みにしないことだ。

(小林洋三)

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