この資格でナンボ稼げる?(27)未知なる美味に出会える!?「深海生物検定」

 近年、富山県や島根県の日本海沿岸では、リュウグウノツカイやフリソデウオといった珍しい深海魚の目撃情報が相次いでいます。

 実は私、深海魚が大好きでして、特にリュウグウノツカイには引かれるものがありますね。神秘的な白銀色に輝く最長11メートルにもなる体を見ていると、本当に竜宮城へと連れて行ってくれそうな気がします。

 深海生物の魅力をひと言で表すと、やはり生存能力の高さに尽きます。身を隠す場所や餌も少ない深海の世界で生き残るべく、深海生物の中には一風変わった特殊能力を持っているものもいます。

 例えば、深海にはみずから光を発する生物が多く生息していますが、その中には身を隠すために、あえて発光している場合もあるんです。深海に届くわずかな太陽光にさらされた生物は、下から見ると輪郭が影になってしまうため、光ったほうが敵に見つかりにくくなる、などの理由があるようです。

 そんな不思議やロマンの宝庫を知るのにもってこいの資格が、この「深海生物検定」。それでは、実際に例題を見てみましょう。

〈問1〉一般的に深海と定義されている水深は何メートルからでしょうか? ①100
メートル、②200メートル、③500メートル、④800メートル

〈問2〉体内に飼っている微生物がエネルギーを生み出してくれるため、何も食べなくても生きていける深海生物は、①チューブワーム、②ホウライエソ、③コウモリダコ、④ヤマトトックリウミグモのうちどれ?

 実際の問題はマークシート形式(全80問)で出題されます。クイズの答えは〈問1〉が②、〈問2〉が①となっています。

 試験レベルは3級と2級(1級はまだ開設されていません)があり、東京、沼津(静岡)、名古屋、大阪の会場で受験ができます。

 私は2級まで合格しており、難易度的にはそれほど難しくはないと思いますが、テキストがけっこう分厚いため出題範囲が広く、似たような見た目の深海生物もいて、覚えるのに多少苦労するかもしれません。

 深海は未知のロマンだけでなく、おいしい味覚を私たちに届けてくれます。

 例えば、テニスの錦織圭選手が、14年の全米オープンで準優勝して帰国後に「あったら食べたい」と発言し、一躍注目を集めるようになった高級深海魚の「ノドグロ」。甘い脂が全身に詰まっているため“白身のトロ”とも言われており、刺身で食べるのがオツだそうです。

 深海生物が獲れることで有名な愛知県蒲郡市では、「アカザエビ」「メヒカリ」「ニギス」「白ムツ」などの深海魚が入った海鮮丼や、巨大なダンゴムシのような見た目の「グソクムシ」のお煎餅も食べられます。

 こういった珍しい生物が食べられる専門店はまだそこまで多くありませんから、深海生物専門の飲食店や小売店は意外と狙い目かも!?

 ビジネスチャンスかもしれませんね。

(すずき・ひであき)

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