日ハム・斎藤佑樹、オールスター前にチャンス到来のワケ

 吉田輝星の一軍登録が抹消された(6月24日)。前日23日の中日戦で炎上、プロ初黒星を喫していたが「一軍帯同での調整」となったのは、近日中に3度目の登板があるからだろう。

 こうした栗山英樹監督の“吉田思い措置”は、二軍暮らしが続く斎藤佑樹にも影響を与えそうだ。
 
「開幕からローテーションを守ってきた上沢が左ヒザを骨折するアクシデントに見舞われ、日本ハムは先発要員が足りません。斎藤にとってはチャンスだったんですが…」(スポーツ紙記者)

 上沢の左ひざに打球が直撃したのは6月18日、吉田がプロの洗礼を浴びたのは23日。主軸投手が欠場、若手が黒星を喫したとなれば、斎藤にもチャンスが回ってきそうだが、もっか二軍での役回りは中継ぎ。試合後半に出てくるが、打者3人でピシャリと抑えても「続投」となることはない。

「斎藤は吉田輝星に関する質問も受けています。甲子園ヒーロー、連投など共通点が多いからですが、応援コメントばかり。内心忸怩たる思いがあるはずですが、一切表には出しません」(同前)

 斎藤は前半戦、オープナーとして先発登板のチャンスをもらった。オープナーとは、昨季メジャーリーグで流行した変則の投手起用法のこと。打者一巡を目安に投げ、その後、本来、先発登板するピッチャーに繋ぐか、救援投手を総動員させるもの。「打者一巡ならば」と、斎藤の活躍を期待する声も多かったが、5月11日に一軍登録を抹消されて以降、二軍暮らしが続いている。

「斎藤は内に秘めるタイプなので、今みたいに淡々としているときのほうが怖いですよ。年齢も30歳を過ぎましたし、この先、そうたくさんのチャンスはないことは本人も十分に分かっています。学生時代、大一番に臨むときの斎藤はいつも淡々としていましたよ」(球界関係者)

 今後、栗山監督は吉田と斎藤の両方を起用すると思われる。まず、吉田を一軍から抹消したのは6月24日。規定では10日後でなければ再登録できないが、24日は交流戦休みが始まった日でもあり、ペナントレース再開は同28日。つまり、試合のない4日間も日数にカウントでき、再開2節目の第3戦から再登録が可能となる。

「オールスター戦までの約2週間、日ハムもピッチャーを総動員させるはず。吉田は連投が利くのでリリーフに回すことも十分に考えられます」(前出・スポーツ紙記者)

 上沢に続いて“臨時リリーフ・吉田”となれば、先発枠に2つの欠員が出る。斎藤に、もう後はない。このチャンスをものにして、同僚のアクシデントを踏み台にしてでも、のし上がらなければならない。

(スポーツライター・飯山満)

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