発表!プロ野球「ワーストナイン」2022前半戦(1)「神の子」田中将大は「普通の子」に

 球宴を終えたプロ野球は、セがヤクルト独走で1強5弱の混戦、パは日本ハムが全借金を抱える団子状態となっている。ここは前半戦の反省を踏まえつつ後半戦を戦ってもらうため、本誌恒例の「ワーストナイン」を中間表彰しよう(数字は前半戦終了時点)。

 パ・リーグのワーストナイン、先発投手は楽天の田中将大(33)だ。今季はここまで5勝7敗と敗戦数が両リーグトップタイ。帰国後の2年通算でも9勝16敗と負け越しており、24勝0敗だった9年前とは比較にならない。防御率もメジャー挑戦前は3年連続1点台だったが、帰国後は3点前後に落ち込んでいる。

 プロ野球評論家の角盈男氏はこう評する。

「数字的には合格ラインなんですが、年俸にはとても見合いません。帰国後のピッチングは『ゲームメイク投球』に見えます。投球数が制限されるメジャーの影響か、遊び球や釣り球が少ない感じです。野村さんが名付けた〝神の子〟は普通の子になりました」

 セ・リーグでは巨人のエース・菅野智之(32)が不甲斐ない投球を続けている。まだ6勝5敗と勝ち越してはいるものの、防御率は6勝7敗と負け越した昨年より落として3.56。6月24日のヤクルト戦では3回までに7失点、7月18日もコロナで主力が大量離脱したヤクルト相手に6回自責点7と不安定な投球が続いている。

 プロ野球評論家の伊原春樹氏も顔を曇らせる。

「年俸を考えるとまさにワーストですね。力量的にも少しずつ落ちています。試合を作れるのでシーズン10勝はするでしょうが‥‥」

 両リーグとも高額年俸の大黒柱が信頼を失っている状態だ。

 角氏は、ここまで9勝4敗だが与四球38がリーグトップの巨人・戸郷翔征(22)にも辛い評価を下す。

「桑田コーチが目標に掲げた『四球を減らす』に反しています。成績はよくとも内容がダメ。勝ってはいるけどワースト候補です」

 先発最多敗戦数(7敗)は田中のほか、セで中日・柳裕也(28)、パでは日ハム・伊藤大海(24)も獲得。最悪防御率はオリックス・宮城大弥(20)となった(規定投球回数達成者)。3人とも昨年は2桁勝利を挙げている。

「伊藤は被本塁打1本ですし、宮城も味方打線が好調でないわりには頑張っています。2人は責められないでしょう。特に中日の柳や大野雄大(4勝6敗)が負け越しているのは、チームの得点力が低いためでもあります」(角氏)

 確かに、7敗の柳は奪三振がリーグ最多と奮闘はしている。

 リリーフで最多敗戦を喫した3投手の中に、かつて1億円プレーヤーだった広島・中﨑翔太(29)が入っている。

「今季は21試合登板で6ホールドを挙げていますが、全盛時のボールの強さがありません。昔のようなセットアッパーに復活するのはかなり難しいでしょうね」(伊原氏)

*発表!プロ野球「ワーストナイン」2022前半戦(2)につづく

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