「球団に酷い言葉を…」練習中に亡くなった木下雄介投手の遺族が思いを綴った

 27歳の若さで亡くなった中日ドラゴンズ・木下雄介投手の遺族が7月11日までにインスタグラムを更新し、球団との諍いに言及したことが話題となっている。7月7日発売の「週刊新潮」が“不信の争い”と報じた記事を、概ね認めた形となった。

 昨年7月、練習中にトレーニング室で突然意識を失い、心肺停止状態となった木下投手は、トレーナーによるAED処置を受けた後に名古屋市内の病院に救急搬送されたが意識は戻らず、約1ヶ月後の8月3日にこの世を去った。死因は明らかにされていないが、新型コロナウイルスの1回目のワクチン接種から8日後の事案だったため、ワクチンとの因果関係が一部で取り沙汰されるなど注目を集めていた。「週刊新潮」によれば、中日球団側は練習が直接の死因ではないという理由で統一契約書に基づいた死亡補償金の5000万円の支払いに応じておらず、弔慰金として500万円を提示しているという。

 報道をきっかけに多くの反応があったことを明かし、「週刊誌の件について触れさせていただきます」と遺族はインスタグラムを更新。記事の内容に対して「これは違う。と思う点がいくつかありましたが記事の内容はほぼ事実です」と認めた。遺族は球団との円満な解決を望んでいるとし、ワクチンとの因果関係や死因に関する発表は、木下投手の一周忌が終わってからと予定していたという。遺族はコメントの中で「雄介が倒れてから球団と何度も話し合いをしてきましたが 信じられないような酷い言葉を沢山言われ また、酷い対応だと感じることも多々ありました。でも、そんな事を公表したところで雄介は帰ってきませんし 公表したところで私たちの傷が癒えることはありません」と、球団側の対応の悪さをほのめかした。

 さらに「何故、こうなってしまったのだろうと思うばかりですが 私は、真実だけをきちんと公表したいと思っています」とも綴っており、《週刊誌報道は遺族側からのリークではなかったのか》という野球ファンを驚かせた。球団の対応に対し、ネット上では《自分とこの選手が死んで、その遺族に酷いこと言うなんて信じられん》《なんかすごい残念。どんなスキャンダルよりも今後侮蔑の目で見てしまう。ほんまドン引き》と球団を非難する声があがっている。

 練習が死亡原因だと認める形になってしまうことを避けるために、球団は5000万円の死亡補償金の支払いを拒否しているのだろうか。どういったった形であれ遺族が受け容れられるような誠意ある対応をしてほしい。

(浜野ふみ)

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