災難続出!2019年はユーチューバーの受難の年か?

 好きなことで生きていくのも決して楽ではないのかもしれない。2019年も1カ月が過ぎたが、動画の再生回数による広告収入で生計を立てるユーチューバーたちを、様々な災難が襲っている。

 新年早々の1月1日にYouTube界隈を震撼させたのは、テレビやワイドショーなどでも報じられた人気ユーチューバーユニット「アバンティーズ」メンバーとして活動していたエイジさんの異国での溺死事故だ。年末年始の休暇中に訪れたサイパンの浅瀬で遊んでいたエイジさんは、突然の高波にさらわれると、搬送先の現地病院にて息を引き取り、帰らぬ人となった。

 エイジさんはトップユーチューバーのHIKAKINやはじめしゃちょーらが所属する大手事務所UUUMに籍を置いていたクリエイターで、その将来が大いに期待されていた人材の1人だが、大手ユーチューバープロダクションの輝かしき有望株を襲った災難はこれだけに留まらない。

“何でもこなせる演技派ユーチューバー”との触れ込みで人気の可憐な美少女ユーチューバー・楠ろあは、1月10日頃にツイッター上で“楠ろあが出演するハレンチ動画”なる謎の動画が拡散され、そこには性的な行為に及ぶ細身の楠ろあによく似た体型の女性が男性と共に写っていた。また、体型だけでなく、動画内で発せられる声も本人と酷似していたことから、“楠ろあに似てる!”“これ本人?”との指摘が飛び交ったものの、彼女が所属する事務所VAZは1月11日に「動画内の人物と“楠ろあ”は無関係であることを確認いたしました」との声明文を発表。いたずらに“楠ろあ出演動画”などと謳った愉快犯による犯行とみられており、同事務所は「事実関係を調査の上、法的措置を含めて厳正に対処してまいります」とも綴っている。

■“時給日本一ユーチューバー”はアカウント停止

 やはり、常に“バズり現象”を狙い続けるユーチューバーにとっては「モラルと品格」にどう向き合うかというテーマこそ永遠の課題といえるだろう。その点において、YouTubeを運営するGoogleから大きな制裁を食らってしまったのが、“時給日本一ユーチューバー”を謳う白の覆面ユーチューバー・ラファエルだ。

 繁華街での声かけ動画や著名艶系女優との対談など、大人向けに構成されたチャンネルを運営し、金融系の情報発信から怪しい投資案件まで、これまで多種多様な“グレーな動画”をアップし続けてきたラファエル。テンポが良く、飽きさせない編集や巧みな話芸を活かしたトーク力がウケ、メインチャンネルでは200万人を超える登録者を抱えていたものの、1月22日に突如としてチャンネルがYouTube運営から凍結され、メインアカウントの停止という重いペナルティーを受けてしまった。

 過去の全ての動画も閲覧不可の状態となり、大きな収入源を失ったラファエルは同日夜に自身のツイッターを更新すると、今後は過激かつモラルを度外視した内容の動画を控え、方向性を改めていくことになると表明。グレーゾーンをギリギリで攻める過激さを最大のウリとしてきたこれまでのスタイルから、大幅な変更を強いられることとなった。

“小学生のなりたい職業ランキング”では常に上位に君臨し、ひとたび波に乗りさえすれば、年収が1億円を超えるケースも頻発しているユーチューバー。地上波テレビ放送では見られないような斬新さと日々の前衛的な動画更新を心がける余り、通常のサラリーマンや公務員であれば決して体験しないような心労や受難も多く立ちはだかるのかもしれない。

(木村慎吾)

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