3月5日、ポルシェやランボルギーニなどの高級車およそ4000台を運搬中に火災が発生していた自動車運搬船がついに沈没し、すべての車が失われたことが明らかになった。総被害額は380億円以上ともいわれているが、消火しても鎮火しなかった原因の一つとみられているEV車には不信感を募らせる声も少なくない。
沈没したのは三井商船の自動車運搬船「フェリシティ・エース」で、海外メディアの情報によるとポルシェ1100台、ランボルギーニ85台、アウディ約1900台、フォルクスワーゲン約500台など数々の高級車を積んでドイツのエムデン港からアメリカを目指して航行中の2月16日、ポルトガル領アソーレス諸島の沖合で突如として火災が発生。乗務員は全員救助され無事だったが、消火活動もむなしく船は炎上したまま漂流していたのだった。
出火原因はまだ特定されていないものの、貨物室から火災が発生していることからEV車から出火した可能性もあり、またEV車は一度火を消しても再燃しやすい特徴があることから消火できなかった大きな要因のひとつとも見られている。そのためネット上では《EV車から火災ってニュースをよく見る気がするんだが、本当に大丈夫なの?》《リチウムイオンが炎上すると水だけじゃ消えないっていうからね。もし車庫でEV車が発火したら素人にはどうしようもない》などの声があがっている。
「アメリカの自動車保険サイトが火災を起こしやすい自動車を調査したところ、10万台あたりの火災発生件数はハイブリッド車が最も多く、EV車はガソリン車と比べても圧倒的に火災発生件数は少ないというデータになっているので、EV車だから火災が起きやすいというわけではありません。ただ、昨年4月にアメリカで起きたTeslaのEV車『モデルS』で発生した火災では、消火活動によって鎮火したはずが何度も火が再燃し、完全に火が消えるまでにおよそ4時間掛かったとされています。これはEV車が積むリチウムイオン電池による熱暴走という現象が原因で、完全に消火したと思っても数日後に再び火が出ることもあると指摘されているのです」(モータージャーナリスト)
今回の火災では1億円以上するポルシェのスポーツカーも積載されていたというが、いったいどこが弁償することになるのだろうか…。
(小林洋三)