「STAP細胞」小保方晴子さんのその後/あの「ニュースの主役」を大追跡【2】

 酒場の席で誰かがふと「そういえば、あの女ってどうなった?」と漏らす。一斉に誰もが記憶をたぐり寄せようとするが、その答えをここに─。

 第82代の総理大臣だった橋本龍太郎氏の一夜妻と呼ばれたのが、作家の金沢京子さん(61)。封印していた近況をアサ芸に伝えてくれた。

「今は千葉の実家近くで、ハーブ園をやっているの。2年前から地元の人たちに手伝ってもらって、セージやフェンネルを作って売っているよ」

 還暦を過ぎても元気なままだ。そんな金沢さんが注目された橋龍との関係は、改めてどんなものであったのか。

「私が銀座でホステスをしていた頃だから、ハタチからの知り合い。何軒かのお店に来てただけじゃなく、住んでいるところも近かったから、ばったり会うことが多かったのよ」

 そして、24歳の時にホテルニューオータニのレストランで初めてのデート。橋本氏は「送って行くよ」と言い張り、金沢さんの部屋まで押しかけてきたという。

「私のパトロンを紹介したら、いつの間にか向こうの後援会になっていたのね。そのことでその男とモメて、話し合いをしているホテル近くに、なぜか写真誌や警察もいて‥‥。ちょっと身の危険を感じたわ」

 その後、金沢さんは連載小説や一糸まとわぬ写真撮影などで常に話題を提供してきたが、幸い、生命の危機にまでは至らなかったようだ。

 同じく国会議員とのスキャンダルを暴露したのは、元ホステスの山田かな子さんだ。

「私は2度の中絶をして、なのに先生から『女というものは、堕ろせば堕ろすほどよくなる』なんて言われて不信感を募らせました」

 当時、そんな怒りを週刊アサヒ芸能誌上であらわにしたこともある。その先生とは、小泉純一郎政権を支えた「YKK」の山﨑拓幹事長(当時)であった。

「週刊文春」での山田さんの告白は02年4月のこと。特に「性の奴隷にされた」という一文は強烈で、山﨑氏の愛称も「山タフ」などと揶揄される始末。

 山田さんは「せんせい─わたくし山崎拓自民党幹事長の愛人でございました。」という告白本や、週刊アサヒ芸能ですべてを晒した撮影にも挑んだ。

 10年ほど前からマスコミ取材を控え、近況はあまり聞こえてこないが、平穏な生活を送っているという。

■「ささやき女将」と「騒音おばさん」

 政治家関連ではもうひとり、第75代の宇野宗佑総理を、わずか69日で退陣に追い込んだのが、神楽坂芸者の中西ミツ子さんである。

 宇野氏が指を3本出して「これで(愛人に)どうだ」と言ったのだが、300万円だと思ったら、わずか30万円。神楽坂芸者きっての美貌を誇ったミツ子さんには屈辱の金額であり、そのことが鳥越俊太郎氏が編集長を務めていた「サンデー毎日」での告発につながった。

 その後、前出の山田かな子さんとの雑誌対談などもこなしたが、ここ20年ほどは表に出ていない。

 そして、記憶に鮮烈な会見といえば─。

「STAP細胞は、あります!」

 そう言い切った研究者の小保方晴子さん(38)だ。リケジョとして注目を集め、世紀の大発見かと騒がれたのもつかの間、博士論文に対する研究不正の嫌疑などが発覚。早稲田大学からは、博士号の取り消しが発表された。

 その後の小保方さんは告白本の出版や、雑誌のグラビアページにも登場。なんともブレまくりの方向性であったが、近年は洋菓子店でのバイトや雀荘に通う姿、さらに恋人との同棲も発覚、結婚したというような話もチラホラ聞かれる。

 老舗の料亭「船場吉兆」のおびただしい不祥事が発覚したのは07年だった。賞味期限切れのラベルを貼り替え続け、さらには産地偽装、客の食べ残しの再提供と、目を覆いたくなる事実が次々と明るみに出る。

 結果的に廃業してしまうのだが、12月10日に行った会見の席上、湯木佐知子社長(84)が長男の喜久郎氏に身を乗り出して小声で指示を出す。その全てがマイクで拾われていたため、ワイドショーなどで「ささやき女将」の呼び名がついた。

 老舗の料亭は破綻したが、現在も湯木社長はお元気で優雅な暮らしを送っている。なお、次男の再起は20年にNHK「逆転人生」で特集されたが、当時の騒動を知る者には今も賛否両論が渦巻いている。

 75年に往年の大スター・上原謙の後妻となり、長男の加山雄三らと骨肉の争いを繰り広げた大林雅美(74)は、91年に上原と離婚。以降は銀座に次々と店をオープンさせたものの、最終的には10年に全てを手放すこととなった。

 上原との娘が、13年11月23日に法律違反の薬物使用で逮捕されたニュースを見た大林は、その後をブログに書いていた。

〈親なんだから、面倒見なくてはと云う意見を沢山頂き、私なりに考えた挙げ句、今現在の娘の状況を知りたくて、弁護士さんを頼み、接見して頂きましたが、断られてしまいました。親に迷惑を掛けたくないのか、どういう気持ちなのか全くわかりません〉

 母娘の断絶は続いているようである。

 05年、けたたましい音量とともに、連日ワイドショーを揺るがせた映像があった。

「引っ越しー、引っ越しー、さっさと引っ越せ、しばくぞ!」

 奈良県平群町で隣家に向かって連日、24時間のBGMとともに大声で叫んだ女は「騒音おばさん」と呼ばれた。その嫌がらせは、実に2年6カ月にも及んでいる。

 逮捕されたこの騒音おばさんには懲役1年8カ月と、罰金200万円が科せられた。出所後の今も、どこかでキレた姿を見せているのだろうか。

*「週刊アサヒ芸能」2月17日号より。あの「ニュースの主役」を大追跡【3】につづく

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