一流シェフは食べずに酷評、それでも「ツナマヨおむすび」バカ売れのワケ

 正月早々、ファミリーマートの人気おむすびの品切れが続出する事態に。その背景には元日放送のバラエティー番組に端を発する炎上騒動があったようで…。
 
 きっかけは人気番組「ジョブチューン」(TBS)の元日SP。一流料理人がセブンイレブン、ローソン、ファミリーマートの3大コンビニの商品をジャッジするという企画で、イタリア料理人がファミリーマートの「和風ツナマヨネーズおむすび」(税込118円)を審査した時のこと。他の審査員が試食を終えているにもかかわらず、イタリア料理人はいっさい口にせず、「いや、もう僕いいです」「食べたいなって気にさせない」と酷評。ファミリーマートの担当者たちが「食べてもいただけない」「残念だなぁ」と悔しさをにじませる様子がオンエアされた。
 
「開発担当の女性が目に涙を浮かべながら『毎年、おいしくできるようにリニューアルを重ねておりまして…味の評価をしていただければ』と懇願して、ようやくシェフは実食。かすかにうなずいたものの、結果は不合格。シェフは担当者の女性に『ごめんなさいね』と謝意を伝えたうえで、料理人としてアドバイスも送っていました。ところが、試食拒否のシーンだけがクローズアップされ、シェフのYouTubeは瞬く間に炎上。《見た目が美しいツナマヨおむすび作って》《見た目だけで判断するってどうなん?》などといった意見がコメント欄に殺到する事態となりました」(ネットライター)

 そうした炎上騒動をよそに、和風ツナマヨおむすびを買い求める客がファミマに殺到。SNS上には《味そんなに悪くないよ》《酷評されるような味じゃない》といったファミマ擁護派のコメントが写真とともにアップされた。と同時に《売り切れてて買えなかった!》《ファミマ3軒まわったけどダメだった》などと売り切れを嘆く声も…。バカ売れの要因は話題性だけではないようだ。
 
「ホラー映画の宣伝コピーで『絶対に見てはいけない!』など、あえて制限をかけることで、人々が興味をかきたてられる現象を“カリギュラ効果”と呼びます。広い意味では、青汁のCMで『まずい!もう一杯』というセリフも、ある種、カリギュラ効果を期待してのものと言えます。今回のツナマヨの件では、一流シェフが最初は試食すらしなかったことで、『本当にそんなにまずいのか?』『食べる価値もないおむすびってどんな味なんだ?』と、購買意欲を掻き立てられた可能性も考えられますね」(マーケティング会社スタッフ)

 ファミリーマートにはこれからも安くておいしいおむすびを提供し続けてほしい。

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