新「自販機リサイクルボックス」登場で“異物混入阻止”はどこまで可能か?

 8月2日、全国清涼飲料連合会は、プラスチックカップやタバコの吸い殻などのゴミを入れにくいデザインの自販機リサイクルボックスを発表。2022年までに全国での統一を目指すことを明らかにしたが、このデザイン変更にある指摘が上がっている。

「新たなリサイクルボックスは投入口が下向きで、500mlのペットボトルがギリギリ入る大きさとなっているため大きなゴミは入れられず、飲み残しのカップなども入れづらい仕様となっています。この変更は、リサイクルボックスの約3割がペットボトル以外の異物が混入し、ペットボトルの確実な回収が出来なくなっている現状への対策とのことです」(社会部記者)

 昨年11月に渋谷区で実証実験がおこなわれ、新リサイクルボックスでは異物の混入が48%も減少したというが、これにネット上では《ペットボトルのリサイクルボックスにはよくコーヒーのプラカップがねじ込まれているんだよな》《プラカップで投入口が塞がれてるのは確かによく見る》など、テイクアウトのプラカップがリサイクルの弊害となっているのではとの意見が少なからず見られる。

「若者の視点からすればプラカップが目立つため、そうした指摘が出るのでしょうが、例えば、スタバではアイス飲料の約7割をプラスチック製からFSC(森林管理協議会)認証紙に変更するなど継続して企業努力を行っているため、まだ全然マシなほう。ボックスの設置場所によってはむしろ、コンビニのコーヒーやタピオカのプラカップの方が投入口に突っ込まれている場合が多いかもしれません。これはゴミを捨てる人のマナーによるところが大きいとは思いますが、プラゴミを捨てる場所がないのも問題だと思います。自販機の横にはビン、缶、ペットボトルの回収ボックスがありますが、それ以外のゴミを捨てる場所が街中にはまったくといっていいほどありませんからね。投入口を下向きにして異物が混入しづらい形にすることももちろん意味はありますが、プラスチックなどのゴミを回収する仕組みを作ることも必要なのではないでしょうか」(フリージャーナリスト)

 ゴミを捨てるところがなければ、結局はリサイクルボックス以外のどこかに投棄されることになってしまうだろう。

(小林洋三)

ライフ