佐々木朗希の4度目の先発登板は、6月24日の福岡ソフトバンク戦になりそうだ。最速163キロ右腕と5年連続日本一を目指す強力打線の対戦は興味深いものになりそうだが、ロッテ内部では新たな問題も浮上してきた。佐々木のパートナーとなる“正捕手”問題だ。
「ロッテの正捕手は、田村龍弘と目されています。その田村が一軍に戻ってくるのは、最速で26日。ということは、現在、出場登録されている佐藤都志也、柿沼友哉、加藤匠馬のいずれかが、24日にマスクをかぶることになります」(ベテラン記者)
過去3回の先発登板でパートナーを務めてきたのは、佐藤と柿沼。初先発と2回目を支えたのが佐藤なので、プロ初勝利に導いた点からも相性は良いほうなのかもしれない。しかし、中日からトレード加入してきたばかりの加藤を予想する声も少なくなかった。
「加藤は12球団でもトップクラスの強肩です。佐々木はセットポジションが苦手なので、走者を出した途端にオタオタしてしまうこともありました。精神的に安心させる目的で加藤と組ませるのではないか」(同前)
また、加藤を指導してきたのは中日・伊東勤ヘッドコーチだ。伊東ヘッドは前ロッテ監督でもあり、「捕手育成」における信頼関係が加藤獲得のトレードを加速させたともいう。
「パ・リーグの他5球団は佐々木攻略の研究を始めています。4度目の先発は、今後も一軍で投げていけるのかどうか、重要な意味があります」(球界関係者)
また、未完成な佐々木は、「困ったときはストレート」のシンプルなピッチングだ。スライダー、フォークボールも投げるが、これらの変化球は、ストレートの球速やキレがあって、初めて活きてくるものだ。やはり、配球術に長けた捕手がパートナーを務めるべきだろう。
「交流戦の阪神戦でプロ初勝利を挙げました。まだ、本拠地で勝利投手になっていないので、期待しているファンも多いはず。その後、10日くらい空けて待つか、続けて先発させるとも聞いています」(前出・ベテラン記者)
佐々木を本拠地初勝利に導けば、加藤は、田村を脅かす存在にもなるだろう。そして、次々回登板は、24日に好投できれば加藤、そうでなければ、田村となりそうだ。ロッテの捕手問題は、「佐々木を導く」ではなく、「佐々木が決める」とも言えそうだ。
(スポーツライター・飯山満)