ジェンダーレスへの配慮!? TOHO「レディーズデイ」廃止に歓喜の声

 全国に映画館を展開するTOHOシネマズ株式会社は5月19日、7月13日をもって毎週水曜日に女性が1200円で映画を鑑賞できる「レディースデイ」を終了とすることを発表した。

 終了となるのは「レディースデイ」だけでなく、毎月14日に1200円のサービス料金で鑑賞できる「TOHOシネマズデイ」、50歳以上の夫婦が2400円でチケットを購入できる割引制度「夫婦50割引」も対象だ。同社はこれに代わる新サービスとして、7月14日より毎週水曜日は誰でも1200円で映画を鑑賞できる「TOHOウェンズデイ」を開始する。

 事実上、毎週水曜日に1200円でお得に利用することができるサービスの対象が、女性から“性別問わず誰でも”に代わったといえよう。ネット上では《レディースデイが“誰でもデイ”になった!》という歓喜のコメントも見受けられた。

 映画館に限らず、「レディースデイ」という割引キャンペーンに関しては「男性差別ではないか」「女尊男卑」などと一部では疑問を投げかける声があがっていたが、ジェンダーレスへの配慮が当たり前になってくるこれからの社会ではなくなっていくものなのだろうか。

「客入りの見込めない平日に、女性を対象に割引サービスを提供する企業が多かったのは、『メンズデー』をつくっても売り上げにあまり影響しないからです。仕事をしている男性と比べて、女性のほうが平日の利用を促せるというのは当然の話でした。ネット上では、《男性差別がなくなった!》《性別によってサービスが違うというジェンダーレスに逆行するようなことはどんどんなくなってほしい》と、TOHOがジェンダーレスに配慮した上でレディースデイの廃止に踏み切ったというコメントもあがっていますが、それは理由の一つにすぎないかもしれません。女性の社会進出が当たり前になり、働き方も人それぞれという時代では、ターゲットを女性だけに絞るよりも客の間口を広げたほうが売り上げにつながるからでしょう」(メディアライター)

 新たなサービスの開始に、水曜日のTOHOはカップルやファミリーで賑わうだろう。利用客のライフスタイルや時代に合わせた割引サービスを提供する姿勢に企業努力が垣間見えた。

(浜野ふみ)

ビジネス