大浴場つきで銭湯より安い!大阪のホテルが打ち出した「一泊390円」の採算性

 大阪市西成区でビジネスホテル4店舗を展開する「ホテルサンプラザ」が初回の1泊限定でなんと390円で宿泊できるキャンペーンを実施し、SNSなどで大きな反響を呼んでいる。

「1月18日に同ホテルは公式ツイッターで、『緊急事態宣言により多くの人々が生活に困窮していると知り、当ホテルは1泊390円プランをこのツイートをRTされた方に「シングル初回1泊のみ」で実行いたします!』とツイート。この投稿は約8500もリツイートされるなど話題となっています」(ネットライター)

 なお、対象となるのは「SUNPLAZA」と「SUNPLAZAⅡANNEX」の2店舗で、通常1泊2000円のシングルが390円で宿泊できる。部屋は約3畳の個室で、テレビやエアコンの他にWi-Fiも完備されており、ユニットバスにはアメニティーグッズも用意されているという。すでにこのプランは100人ほどが利用しており、ツイッターには《普段でも1泊2000円でリーズナブルなのに、リツイートしただけで大浴場付きで1泊390円は破格過ぎる!》《本当に390円だった!チェックアウト時に、ホカロンもいただきました》など利用客からの感想が寄せられており、YouTubeには“泊まってみた動画”が投稿されている。

「東京商工リサーチが発表した『2020年宿泊業の倒産動向』調査によると、昨年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で宿泊業の倒産件数が前年比57.3%増の118件と急増しました。特にインバウンド需要によって16年頃から新規ホテルの開発ラッシュが続いていた関西はより厳しい状況で、WBFホテル&リゾーツやロイヤルオークリゾートなど大型ホテルの倒産も相次いでいます。現在は緊急事態宣言下で特にホテルの利用率が下がる中で、リツイートによる390円の宿泊キャンペーンはSNSで大きな話題になりますし、メディアもこぞって取り上げていますから広告効果は絶大。採算性はともかく、非常に素晴らしいアイデアだと思います。今はまさに受験シーズンの真っ最中ですから、ホテルを借りて一夜漬けの追い込みをするのも良いかもしれませんね」(経済ジャーナリスト)

 なお、390円ではシーツの交換代にもならないのだとか…。

(小林洋三)

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