緊急事態宣言時の自粛ムードも多少は緩和され、電車内に「密」が戻る中、車内で盗み撮りといった性的犯罪の被害にあう女性客が急増しているという。
10月10日、福岡県警が県内の鉄道関連における性的犯罪の発生状況を発表。それによれば、県内の今年3〜5月の被害情報は26件と、前年同期比では6割に減少していたが、6月以降は前年と同水準に戻ったことで、「コロナ自粛の緩和によって車内の混雑、人混みが戻ったことが要因」として、今後、さらに鉄道警察隊による警戒強化を明らかにした。
「県警によれば特にここ2カ月ほどで被害が多くなっていて、9月30日から2日間にわたって、20代の会社員女性と女子中学生が被害にあいました。犯人が同一人物と思われることから、私服警官を車内に配置。10月6日、同時刻の車内で、被害者から聴取した特徴を持つ会社員の男(28)を発見。マークしていたところ、女性の体を触り始めたため、県迷惑防止条例違反の疑いで現行犯逮捕したといいます。さらに、この事件の過程で、10月2日には女性のスカート内にカメラを差し入れた男(50)を同条例違反(卑わいな行為)で逮捕、8日にも体に触れる卑猥行為で建設作業員の男(52)を逮捕するなど、取り締まり強化がすでに功を奏してきているようです」(全国紙社会部記者)
福岡県警の発表によれば、車内での性的犯罪による情報提供は年々増加傾向にあり、2015年の99件から19年は170件に急増。摘発件数も15年の14件から、19年には90件に増えている。
「ただ、報復を恐れて相談できない被害女性は多いため、表に出ているこの数字はあくまでも氷山の一角。皮肉なことですが、コロナの自粛緩和による混雑状況が『車内性犯罪』復活に一役買ってしまったと言えそうです」(前出・社会部記者)
もちろん車内での性的犯罪行為は朝夕のラッシュ時だけとは限らない。現に11日には北海道札幌市内を走る地下鉄車内で、眠っている20代女性に体液をかけたとして、21歳の自称美容師の男が現行犯逮捕されるという事件が起こった。
「現場は札幌市営地下鉄南北線内で、11日午後11時頃、大通駅から乗車した女性がうたた寝した瞬間、近くにいた男が近寄り女性の下半身に体液をかけたというものですが、女性が目を覚ますと男がスマートフォンを向けていたため、不審に思いあたりを見ると、コートとジーンズにべっとりと体液が付着していたということです」(地元紙記者)
女性が駅係員に通報したことで、男は駆けつけた警察官に現行犯で逮捕されたが、調べに対し「スリルを味わいたかった。性的欲求を満たしたかった」と容疑を認めているものの、手慣れた手口から、所轄署では余罪を含めて慎重に取り調べを進めているという。
「まあ、この『体液男』しかり、終電前の電車内には、スリや寝ている女性のスカートの中を盗み撮りする輩も少なくありませんからね。特に、最近多いのが『寝顔マニア』で、彼らは無防備な姿で眠りこけている女性を映すことで快感を得る、という“癖”の持ち主たち。SNSを通じて自分の作品を自慢し、論評しあったりしているそうですが、なかには撮影中に、ついムラムラという者もいて、そういう輩が一線を越え、肌着などに手を伸ばし、結果御用になるケースも多いと聞きます。仕事で疲れていても、ヘタにうたた寝も出来ないなんて、女性にとってはまさに受難の時代といえそうですね」(前出・社会部記者)
一日も早く卑劣な車内犯罪が撲滅されることを願ってやまない。
(灯倫太郎)