日本人の8割は自分の声が嫌い!?「声優能力検定」で声の技術を磨くメリット

 突然ですが、読者の皆さんは自分の「声」をどう思っていますか。

 音声心理学者の山崎広子さんの調査によれば、実に日本人の約8割の人が自分の声を嫌っているそうです。

 確かに、自分の声を録音して実際に聞いてみると、「あれ? こんな声なんだ‥‥」と、違和感を覚えることはありますよね。

 しかし、そうした生まれながらの声質を嘆く必要はありません。なぜなら、相手に伝わる声は、発声や滑舌、声のトーンなど、話し方を変えるだけでだいぶ印象が違ってくるからです。

 そこで今回、ご紹介するのは「声優能力検定」。声優としての能力、すなわち「しゃべりのプロ」としての能力が身につく検定です。

 この検定は、バラエティー番組をはじめ数々のメディアで紹介され、芸能人ではお笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号の田村淳さん、タレントの西村知美さんといった方々も取得しています。

 それでは例題を見てみましょう。

〈問1〉滑舌のテストです。次の早口言葉をかまずに3回連続で言ってみてください。「菊栗、菊栗、三菊栗、合わせて菊栗、六菊栗」

〈問2〉演技力のテストです。いつもパワハラしてくる上司に怒りをぶつけるつもりで次のセリフをしゃべってください。「やられたら、やり返す。倍返しだ!」

 試験は実技のみ。スマホで受験専用サイトにアクセスし、滑舌や朗読の課題をこなして録音データをサーバーにアップ。それをもとに合否が判定されます。検定のランクは5級から1級まであり、2000円(5級)から受験できます。

 私もテレビやラジオに出演した時、番組MCやアナウンサーのトークを生で聞くと「やっぱりプロはすごいな」と感心させられるものです。もともとの声質のよさもありますが、やはり発声法や緩急のつけ方、間の取り方など、しゃべりの技術によるところが大きいのではないでしょうか。

 例えば、私の地元・富山県の先輩にもラジオパーソナリティをされている方がいるのですが、この方はふだん話す時はいたって普通の話し方ですし、お互いに方言で話したりもします。しかし、ひとたび本番になると、瞬時にプロのしゃべり方に切り替わります。

 声優に限らず、タレントやユーチューバーなど「人前で話す仕事」をする人にとっては、必須の検定と言えるかもしれません。

 もちろん、一般のビジネスパーソンもこの検定を受けるメリットはあります。

 採用面接やプレゼン、スピーチなど、人前に立つ機会は意外に多いですからね。また、最近はテレワークを導入する企業が増え、取引先や上司との電話やウェブカメラ越しのやりとりが多くなったという人もいると思います。直接面と向かって話す機会が少なくなり、スキンシップが限られてくるからこそ、話し方を学ぶのはとても大切。

 声を制する者はビジネスを制す。そんな意気込みで挑戦してはいかがでしょうか。

儲かる指数:71

鈴木秀明(すずきひであき)/81年生まれ。東京大学理学部、東京大学公共政策大学院を経て資格アドバイザーに。取得資格数は約700。

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