新参者の「ポケチキ」が大人気「からあげクン」に宣戦布告だ。
コンビニ大手・ファミリーマートが3月19日、商品政策説明会で新フライヤー商品「ポケチキ」の投入を発表。ライバルのローソンで人気の「からあげクン」に勝負を挑む対抗商品で、肉のサイズも箱の大きさも似通っている。そこでメディアが「ローソンのからあげクンとの違いは?」と質問すると、ファミマ担当者は「他社はミンチを成形しているが、当社は一枚肉をくりぬいている」と回答。製法や加工の差をアピールしたが、その後ローソンに「からあげクンはミンチを使っているのか」といった旨の問い合わせが相次ぎ、同日夜にはローソン側から「からあげクンは国産の鶏むね肉の一枚肉をカットしています」というプレスリリースが出される事態となった。
ローソンは間違った認識で自社商品を説明したファミリーマートについて、「なぜこのような回答をされたのか分かりませんが、決してミンチ肉ではありません」と苦言を呈すと、「問い合わせがありましたので、説明する必要があると判断しました」とプレスリリースに至った経緯も綴っている。
「ポケチキは味や形、パッケージや価格までも似通ったからあげクンの競合商品。そのシェアを奪いに行く前に認識不足を露呈してしまったのは、ファミリーマート側にとって非常にイタいですね。記者の質問に答える形だったとしても、同業他社の商品に言及することもマズい。CMなどでも商品の優越性をアピールする場合は、“当社比”とすることが多く、今回のように『他社はミンチの成形で、うちは一枚肉です』と具体的に表現することは控える傾向にあります。あまつさえ、それが間違っていたのですからかなりのマイナスポイントでしょう」(業界誌記者)
累計売上30億食の“コンビニスナック界の金字塔”ともいうべき「からあげクン」への挑戦状を叩きつけた「ポケチキ」だが、逆に出ばなをくじかれてしまった格好だ。ポケチキは5月発売、“からあげ戦争”の第二幕が気になる人は食べ比べてみてほしい。
(木村慎吾)