1億円着服!銀行員の「120日間逃亡生活」(3)毎晩のように「夜の街」で…

 8年間で着服した1億円。どうやら「夜の街」に消えていたようだ。元同僚が話す。

「勤務態度はきわめて真面目で営業成績も優秀。同僚や後輩にも一目置かれていました。福岡県の大学を卒業後、出世街道を歩んできて、懲戒解雇されるまでは審査部の調査役でしたが、部長への昇進も噂されていたほど。飲み会のあとは、よく艶系クラブでおごってもらいましたね」

 ただ、その羽振りのよさに、同僚たちの間でも怪しむ声がチラホラ……。

「我々の給料では、一家を養いながら艶系クラブ通いはかなりしんどい。一度、お金が続く理由を聞いたら『市内のマンションを売った』と、冗談ぽく話していました」(元同僚)

 宮崎県で銀行員といえば平均よりも高めの給与水準ではあるが、「ニシタチ」の客引きに福原の写真を見せると、「知ってるよ。このあたりでは有名だもん」としてこう続ける。

「えーっ! この人があの宮崎銀行の1億円の人なんだ。てっきり、どこかの社長さんだと思ってた。だって月曜から金曜まで、毎晩のように艶系クラブで飲み歩いてたんじゃないかな」

 その客引きに福原容疑者が通っていた店を教えてもらうと、店長も最初は驚きながらも、その豪遊ぶりをこう証言してくれた。

「週に3回くらい来ちょったね。毎回の支払いは4万〜5万円程度で、ウチだけでだいたい800万円ぐらいは使っちょったと思うよ。酒もあまり飲まんで、かといって女の子たちに対しておさわりやキスなどの強要は一切なかったかいね。銀行に勤めていたからやろうけど、日付をまたぐ前には帰宅しちょったわ。確かに金払いはいいちゃけど、宮崎んサラリーマンがこげん頻繁に店に通えたんか、不思議やったよね」

「同伴」することも頻繁にあったという福原容疑者。艶系キャストが豪快な金の使いっぷりを明かす。

「よく1回の会計で2万〜3万円になる高級な和食屋さんやお寿司屋さんに連れてってくれてたっちゃ。重度の糖尿病を患っていて、常々インスリンの注射を打っちょった。アッチが勃たんからなのか、同伴はあってもアフターは行かんかったね」

 まさに豪遊三昧の福原容疑者だが、情熱的な銀行員の一面もあったという。

「同伴の女の子と一緒やったら、銀行と仕事の話しかせんかった。仕事の手柄を自慢するばかりじゃなく、会社経営はかくたるべし、みたいな熱い思いも話しちょったよ。その話を女の子はウンウンと聞いてうなずいているだけやったけどね」(小料理屋店主)

 被害者の一部は、宮崎銀行と福原容疑者に対して損害賠償を求めて宮崎地裁に提訴した動きもある。福原容疑者はもちろんだが、8年間にも及ぶ着服に気づかなかった銀行側は、どのように“ケジメ”をつけるのだろうか。

※「1億円着服男」(了)

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