その愛らしい容姿と仕草で人気のパンダ。周知のようにパンダは中国の外交政策に欠かせない動物だ。だが、中国との外交的軋轢が高まる中、貸与がなくなり、死亡や返還もあって、24年内にはアメリカ、イギリス、オーストラリアからパンダがいなくなる可能性も指摘されている。
そんな中、韓国では、中国のパンダに対する「扱い方」が大きな話題になっているという。
「韓国で生まれたジャイアントパンダの『フーバオ』が、4月3日に中国に返還される予定です。フーバオは、2016年の習近平政権下で贈られた2頭のパンダの子供として20年7月に生まれました。韓国国内では、自然繁殖で生まれた初めてのパンダなので、国民愛もひとしおなんです」(国際部記者)
日本で言えば23年に中国に返還された上野動物園の「シャンシャン」や、和歌山アドベンチャーワールドの「エイメイ」以下3頭のような存在といったところか。ところが、そのフーバオの祖母にあたる「シンニアル」の死後の扱いについて、韓国では物議を醸しているというのだ。
「シンニアルは、四川省成都の生命奥秘博物館というところではく製となって展示されています。ところが、はく製以外にも、筋肉、内臓、骨を取り出し、標本として展示されているのです。確かに珍獣ですから、学術的な意味がないわけではないでしょう。韓国国内でも、そこまでするか、という声がある一方で、教育的に有用という意見もあり、議論が別れています」(前出・記者)
死後に博物館で内臓まで公開されるパンダ…。中国にとっては当たり前の光景かもしれないが、動物園での可愛らしいパンダしか知らない他国のファンにとっては、少々ショッキングな現実だったようだ。