「今日は出られない」大谷翔平の復帰プランを崩壊させた「ナゾの30分間」

 その30分の間に何が起きたのか? 

 日本時間9月12日、エンゼルスの大谷翔平は8試合ぶりにスタメン出場するはずだった。だが、実際に指名打者として試合に出たのは別の選手で、フィル・ネビン監督のコメントも不可解なものだった。
 
「(試合前)私のところにきて、今日はまだ出られないと言ったんだ」

 大谷のほうから「欠場」の申し入れがあったという。ネビン監督は大谷の右脇腹痛は回復に向かっていると話していたが、大谷は“出たがり”である。その大谷のほうから「出場見送り」が伝えられたということは、むしろ悪化したと見るべきだろう。

「何かあったとすれば、午後3時半から4時の間です」(在米ライター)

 クラブハウスが取材陣に開放されたのは、午後3時過ぎ。いつも通り、ホワイトボードにスターティングメンバー表が貼り出され、そこには「2番DH・大谷」と記されていた。

「大谷の様子? 久々の試合出場なので、ご機嫌でしたね。口笛なんか吹いちゃって」(前出・ライター)

 ところが、である。午後3時半から4時までの間、大谷は球場内の通路を行ったり来たりしていた。一方の手にバットがあったという。大谷はどちらかというと、屋外でのフリー打撃よりも室内練習場でのティー打撃や、映像視聴室で対戦投手をチェックすることに時間を割くタイプだ。そのため、「ビジターゲームなので、室内練習やウォーミングアップする場所を確保できなかったのだろう」と、メディア陣はウロウロしている理由を予想していた。

「変わった様子もありませんでした。不自然な感じもしなかったので」(前出・ライター)

 大谷がウロウロしていたのは、時間にして約30分。その後、球場のスコアボードでスターティングメンバーが発表されたのだが、大谷の名前はなく、打順も貼り出されたものから大きく変更されていたそうだ。

 あくまでも想像だが、ティー打撃を開始し、右脇腹に再び激痛が走ったのではないだろうか。ネビン監督は「大谷を負傷者リストには入れない」とも語っていたが、“空白の30分”で復帰プランが崩壊してしまったことは間違いないようだ。

(飯山満/スポーツライター)

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