これは、斎藤佑樹に“ラストチャンス”を与えるための布石か…。
首位・ソフトバンクを2.5ゲーム差で、北海道日本ハムファイターズが猛追している(7日時点)。戦力層の厚いソフトバンクに対し、日本ハムの弱点は先発スタッフの頭数がやや足りないこと。そのしわ寄せがリリーフ陣に行き、登板過多状態になっている。しかし、栗山英樹監督はリリーバー頼みの采配を辞めようとしない。
「象徴的だったのが、ノーヒットノーラン状態の金子弌大を6回で降ろし、継投策を執った試合です(7月23日)。救援陣が登板過多になってくると、先発投手に『少しでも長いイニングを』と考えるものですが」(スポーツ紙記者)
先発の頭数が足らない状況は、必要があれば、吉田輝星を二軍から引き上げればなんとかなる。しかし、リリーバーは違う。日本ハム二軍を見渡すと、一軍レベルのリリーバーは斎藤佑樹ぐらいだ。
斎藤の近況について、こんな情報も飛び交っていた。
「彼にとって、夏はスポットライトを浴びる時期。夏の甲子園の2006年の優勝投手として、例年インタビュー取材の申し込みが必ずありました」(球界関係者)
昨夏は吉田輝星の連投について、甲子園経験者としてコメントを求められている。だが、今年は目立った取材がないようだ。
成績不振の続く斎藤が30歳を過ぎても現役を続けられるのは、「人気」があるから。なんだかんだ言っても、斎藤が先発予告された試合はスタンドが満員になる。
「栗山監督は定期的に荒木大輔二軍監督と連絡を取り合い、二軍選手の好不調を確かめています。斎藤の状況については、ほぼ毎回、栗山監督から質問されているようです」(同前)
リリーバーの登板過多がこのまま続けば、斎藤を一軍に呼び戻す口実ができる。“ノー・ノー”の金子を途中降板させたこと、先発投手を長く引っ張らない采配についても、「斎藤にチャンスを与えるためでは?」なんて声もあるくらいだ。
炎天下の二軍球場で、高校球児顔負けの日焼け姿で中継ぎを務めているが、この“ハンカチ”の季節、ラストチャンスを生かして再び輝くことができるか。
(スポーツライター・飯山満)