入手困難!?ローソン100の「100円おせち」“仕込みに1年”の裏カラクリとは

 ローソンストア100では12月25日のクリスマスから毎年恒例の「100円おせち」の販売を開始した。自分が欲しいものを必要な量で、しかも100円!とメリットばかりでかなりの人気なのだが、今年はさらに発売初日から争奪戦が行われていたようだ。

 ネットやSNSでは発売当日早い段階での現場報告によると、

「AM5:00の時点、店員さん必死に陳列。陳列終わったら購入可能とか。すでに、こちらの列にお並びくださいの表示あり」

「さっき9時過ぎに行ったら、もうアワビ売り切れてた」

 などとあるように、店によっては行列を作らないとお目当ての商品が手に入らない事態となった。今年は初めて12月15日から10品からなるスタンダードセット1500円のネット販売を行ったのだが、即日完売だったという。正直、モノにはよるが人気が高く入手しづらいのが実情だ。

「『100円おせち』は12年に販売を開始して以来、累計で900万食以上を売り上げている人気商品です。そしてローソンでは今年、過去の実績から見ればかなり強気の300万食を目指しています。というのも今年は40品目までラインナップを拡大しましたが、現場報告にも出てくる『味付けあわび』が投入されていて話題性も十分だからです」(経済ジャーナリスト)

 あの高級食材がわずか100円で口にできるというのだから、やはり並んでも手に入れたくなるというもの。また、「味付け帆立」や「味付け数の子」などといった商品も店舗によっては1人1品までの制限があったようだが、それでも売り切れが相次いだようだ。ちなみに毎年人気ナンバーワンは「伊達巻」で、今年の新商品の「長呂儀(ちょろぎ)」といったコアな商品が揃っているのもまた嬉しいところだ。

 ところでこの「100円おせち」、年末年始の限られた時期にしか投入されない商品にもかかわらず、投入までの準備期間は1年以上に及ぶという。

「例えば『味付けあわび』が端的な例ですが、わずか100円でアワビを提供するとなれば徹底的にコストを抑えないといけません。だから早い段階から数量を確定して、相場が安い時に仕込んでおく必要があります。それも大量に。そして製造も工場の繁閑を見計らって、その隙間を狙って行うのです。だからかなり早くから準備をする必要がああり、早いものでは前年の秋からもう始まっているそうです。もっとも、アワビに関してはコロナ禍で高級店への卸需要が減ったことで実現したという側面がありますが」(同)

 つまり、いまおせちが売り出されたところだが、すでに22〜23年分のおせち商戦が始まっているということ。便利で安い商品の裏にはそういった企業努力があるのだと思えば、また味わいも変わってより一層おいしくいただけるかもしれない。

(猫間滋)

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