今年の「おせち」ほぼ全具材が値上げで日本の食文化に深刻影響が…

 お雑煮と並ぶ、日本人の正月料理といえば「おせち料理」。国民の7割以上が食べるとのデータも出ているが、どうやら異変が生じているようだ。

 通販や店舗で販売されるセットはもちろん、単品の料理や調理前の食材などほぼすべてが前年より値上げ。ちなみに2〜3段重の平均的なおせちセットの価格はこれまで1万円〜1万5000円だったが、一気に2万円以上に。そのせいかネット上では《新年の祝い料理で厳しい現実を思い知らされるとは…》《セット購入は諦め、食べたい料理だけバラ買いした》など悲痛な叫びが多数寄せられている。
 
「平均的な価格帯のおせち料理の場合、およそ6割が輸入食材になります。国産品でも輸送コストが上がっているのに海外だと輪をかけて高くつき、加えて円安の影響も大きい。カズノコやイクラ、タコにマグロといったおせち定番の海の幸の価格は30〜50%増、カニやウニ、車エビに至ってほぼ倍近くになっています」(流通ジャーナリスト)

 そんな中、売れ行き好調とされるのはローソンが展開する100円ショップ「ローソンストア100」で予約販売する「100円おせち」。11年から発売されている年末の人気商品でラインナップは年々増加し、現在は「小肌の酢漬」「白海老だし巻きたまご」「酢だこ」など8品を加えた45品と充実している。

「ただし、30代以下の若い世代はそこまでしておせち料理を食べたいわけでもなく、以前から喫食率は上の世代ほど高くありませんでした。そのため、食べないという選択をする世帯がこの正月は急増しています。家庭で作っても安上がりでもないため、だったら別の好きな食べ物にしようと意識が変わっているようです。価格は今後値上がりすることはあっても下がることは考えにくく、おせち離れはさらに加速していくでしょうね」(前出・ジャーナリスト)

 日本の食文化すらも変えてしまったようだ。

ライフ