1月31日、1995年にサービスを開始したPHSが25年の歴史に幕を下ろした。携帯電話よりも通話料が安かったため若者の間で利用者が急増し、女子高生からは「ピッチ」の愛称で親しまれるなど、一時は携帯電話のシェアを脅かすほど大人気だった。今回のサービス終了にはネット上に多くの別れを惜しむ声が相次いでいる。
「PHSは当初、NTTパーソナル、アステル、DDIポケットがサービスを提供し、97年には契約数が710万件に到達するほどでした。しかし、利用者の急増と共に電波が繋がりにくくなったり、着メロやiモードなどが利用できる多機能携帯が登場すると契約数は減少に転じ、最終的にはY!mobileのみが提供していましたが、2018年3月いっぱいで新規受付も終了していたのです」(経済ライター)
契約数は減少していたとはいえ、総務省が昨年発表した「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」によれば、契約者は約162万件あったため、終了2日前にPHSに「あと2日で、PHS開始から25年の歴史が終了いたします」「長年のご利用に心より感謝いたします。ありがとうございました」とのメッセージが届くと、ネット上には《ピッチでモバイルデビューした。PHSはまさに私の青春そのものだった》《高校の頃はポケベルからステップアップしてピッチを持っているのがひとつのステータスだった》《東日本大震災の時に携帯は全然繋がらなくなったけど、PHSは普通に使えて超役に立った。本当に感謝している》などと惜別のメッセージが寄せられた。
「もともとPHSは昨年7月でサービスを終了する予定でしたが、医療現場では医療機器への電波の影響を与えにくいことから医師や看護師の連絡用として利用されていることも多く、また新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中で携帯電話へ移行手続きが難しくなっていたこともあり、終了を今年1月いっぱいまで延長していたのです」(前出・経済ライター)
多くの人々に愛されたPHSが、その役目を終えた。
(小林洋三)