先週はハロウィン一色でしたね。私の年齢だと、さすがに「トリック・オア・トリート」とご近所にお菓子をねだりに回ることはできませんが、いくつになってもお菓子は大好物。特に洋菓子の「オペラ」(フランス発祥のチョコレートケーキ)には目がありません。
そこで今回、ご紹介するのは「菓子検定」。和洋問わず、お菓子の材料やレシピ、文化にまつわる幅広い知識が学べる検定です。
それでは例題を見てみましょう。
〈問1〉「シュークリーム」といえば日本で最も有名な洋菓子の一つですが、フランス語で「シュー」の意味は、①キャベツ、②ニンジン、③ジャガイモ、④カボチャのうちどれ?
〈問2〉独特の結び目の形状で知られる焼き菓子「プレッツェル」の発祥の地は、①イタリア、②フランス、③ドイツ、④イギリスのうちどこ?
実際の問題はマークシート方式で出題されます。例題の答えは〈問1〉が①、〈問2〉が③です。
試験区分は3級と2級に分かれており、受検料はそれぞれ1000円、1500円になっております。私は2級に合格していますが、難易度的には公式の問題集をしっかり勉強しておけば、それほど難しくはありません。
この検定に合格するメリットとしては、おもしろい雑学が身につくことです。例えば、「ティラミス」という洋菓子がありますが、読者の皆さんはその語源をご存じでしょうか。
これはイタリア語で「Tira=引っ張って」「mi=私を」「su=上へ」、つまり「私を元気づけて」という意味が込められているようです。
また、取引先への手土産やお中元・お歳暮を選ぶ際にも、こうした知識は役立つはずです。 例えばクッキーやフィナンシェなどの「焼き菓子」は、日もちがよく、好き嫌いが分かれにくい定番の商品ですが、さらに突き詰めて考えると「この人はふだん、ブラックコーヒーを飲んでいるからシガールなら食べ合わせがいいだろう」「この人は最近、ダイエット中だから糖分控えめのクッキーにしよう」と、相手にピンポイントで喜ばれるお菓子をチョイスできます。
あるいは、お菓子作りでビジネスを始めるのもいいでしょう。
そもそも、この検定ではお菓子の作り方も学べるため、そこで得た知識をスキルアップにつなげない手はありません。おいしいお菓子が作れるようになったら、次はアイデア勝負。実際に話題を集めた商品の具体例を挙げると、日本刀の形を模したアイスクリーム、レコード盤を模したバームクーヘン、3年間備蓄できる非常食のガレットなど、新メニューが参入できる余地が十分に残されているはずです。
お菓子のアレコレを学べば〝うまい話〟にありつけるかもしれませんね。
鈴木秀明(すずきひであき)/81年生まれ。東京大学理学部、東京大学公共政策大学院を経て資格アドバイザーに。取得資格数は600