時価2000万円の超貴重品だった!秋田県警の押収拳銃が「美術品レベル」と評されるワケ

 秋田県警が14年ぶりに押収した「真正拳銃」がガンマニアの注目を集めている。

 福岡県福岡市の自宅で拳銃や火薬を所持していたとして、リサイクル業の男が逮捕された。男は今年7月、自宅で自動装てん式拳銃1丁と、弾を発射するための火薬およそ4グラムを所持した疑いが持たれている。

 男は「モデルガンだろうと思っていた」と供述しているというが、警察が公開した拳銃の写真をみたガンマニアから《ボーチャードピストルじゃないか!》という声が一斉に上がったのだ。

 では、ボーチャードピストルとはどんな拳銃なのか。ミリタリー誌ライターが解説する。

「ボーチャードピストルは、1893年に開発された世界初の実用自動拳銃で、オートマチックハンドガンの元祖と言われています。ルガーP08のルーツで、人気漫画『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉の愛銃として話題になりました。3000挺しか生産されていない超のつく貴重品ですが、押収されたボーチャードピストルは、弾倉、付属品一式がオリジナルのビロード張り木箱に収められており、ここまで状態のよい物は見たことがありません。時価2000万円はくだらないでしょうね」

 一般的に銃刀法違反で押収された銃器は、溶鉱炉で溶かされるという。アメリカでは州によって裁判所の許可の下、中古市場に放出されることもあるというが、日本では廃棄するのが現状なのだとか。

 SNSではガンマニアから《ここまで程度のいいバーチャードは二度と出ないレベル》《貴重な美術品や骨董品として扱うべき》《なんとか博物館などへ寄贈できないか》という声が噴出している。

 もっとも、どんな拳銃であろうと違法に所持されていた物であることに変わりはない。処分も法に則って粛々と行われるだろう。

(ケン高田)

*写真はイメージ

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