9月5~11日の1週間にAsageiBIZで配信し、大反響を呼んだ上位12記事を改めて紹介する。9人の候補者が乱立することになった「THE MATCH」こと自民党総裁選。小泉進次郎候補の一歩リードが伝えられる中、「地頭悪い問題」や「進次郎構文」以上にアキレス腱になりそうなのが、裏金議員の処遇だ。「公認は厳正に」と訴えながらも、その中身は逃げ腰そのもので…。(初公開は9月9日)
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9月6日に行われた小泉進次郎元環境相の自民党総裁選出馬会見には約130人の報道陣が詰めかけ、さながら総理就任会見かと見まごうほどだった。
世論調査でも総裁候補の適任候補で、これまで常にトップだった石破茂元幹事長を抑え、小泉氏がトップに立つ結果が続出している。政治評論家の田崎史郎氏も、出演した「ひるおび!」(TBS系)で、小泉会見に「70点」の高評価をつけ、「会見を聞いていて勢い感じた。他の候補者とは違う」とベタほめだった。
しかし、その一方では痛烈な批判と懸念も噴出している。政治部記者が言う。
「岸田文雄総理が最後まで支持率が上がらず総裁選に出馬できなかったのは、国民が安倍派を中心にした裏金問題に納得していないことが大きい。自民党調査では2018年から4年間に政治資金収支報告書への不記載があったのは現職82人、選挙区支部長3人の計85人で、総額は約5億8000万円。そのうち過去5年間の不記載総額が500万円以上の議員らと安倍派幹部を含む計39人が処分されました。その裏金疑惑議員を小泉氏が今後どう扱うのかが注目されていたのですが、結局『逃げ腰』だったことで批判が噴出しています」
小泉氏は、裏金疑惑議員については「国民への説明責任、選挙で信認を得るまで、要職に起用しない」考えを強調。そして、選挙で最も注目される公認か非公認かについては、「説明責任や再発防止策に基づき、新執行部で厳正に判断する」と言うにとどめた。前出・記者が言う。
「つまりは総理と執行部のサジ加減しだいということ。父親の小泉純一郎元総理が郵政改革選挙で、反対する自民党議員を全員非公認として対抗馬『くノ一候補』を送り込んだ時の勢いとは大違いです。もっとも、小泉氏支持議員には大量の旧安倍派議員や裏金議員がいるだけに、今回の出馬宣言で示した方針が最大限の譲歩策なのかもしれません」
こうした動きに立憲民主党の重鎮、小沢一郎氏は自身のXに、「予想通り。裏金議員公認問題は曖昧。加えてボロが出る前に議論もせず解散するという馬鹿馬鹿しさ。自民党は変わらない」と投稿し、厳しく批判した。
大混戦をかわして「小泉総理」が誕生するのか、27日の投開票に日本中が注目している。
(田村建光)