今年の夏はかなりの猛暑になりそうだ。気象庁によると、6~8月の3ヵ月の気温は全国的に高い見込みで、日本中の全ての地域において平均気温が高くなるという。
屋内であればエアコンの風量設定を「自動」にし、必要に応じてサーキュレーターなどを使用すれば快適な温度を維持できるが、問題は「車」だ。特に炎天下に長時間駐車していた後に乗り込むと、猛烈な熱気が容赦なく襲ってくるため、一気に汗が噴き出してくる。少しでも車内の温度を下げるため、「サンシェード」を使用しているドライバーも多いのではないだろうか
では実際、サンシェードにはどれだけの効果があるのだろうか。JAFがおこなった真夏の車内温度試験では、フロントウィンドウ前面を覆うサンシェードを装着した場合、ダッシュボード付近は52℃にとどまったが、装着しない場合は75℃まで上昇した。20℃以上も差があれば、装着は必須と思えるが……。自動車ライターが説明する。
「たしかにサンシェードを使用すればダッシュボードやハンドル付近の異常な高温を防ぐことはできます。しかし、いざ乗り込めば、室内の温度差には大きな差はなく、ただ熱いの一言。それよりも、まずは乗る前に助手席の窓と運転席側のリアの窓を対角線になるように全開にして、運転席のドアを数回開け閉めして車内の熱気を外に逃がすこと。走り始めは4枚の窓を全開にして、エアコンは外気導入にして最大に。そして数分後に窓を閉めエアコンは内気循環に切り替える。これだけで冷え具合は劇的に変わりますよ」
ちなみに誰もが1度はやったことがあるだろう、ウィンドウの上部を数センチ空けて停めるやり方は、わずか4~5℃しか温度を下げる効果はなく、あまり意味がないことが分かっている。
最近はスマホを使ってエアコンをリモート操作し、あらかじめ車内を冷やしておくことが可能な車もあるが、高級車などに限られるため、普及率は高くない。窓を開けてエアコンを切り替えるだけならば、誰にでもできる簡単操作。一度試してみてはいかがだろうか。
(ケン高田)