段ボールの「奥様メモ」は性差別?アート引越センターに「ジェンダーバイアス」批判

 アート引越センターが利用者に配っているオリジナル段ボールに「奥様メモ」という記載欄があるとX(旧Twitter)に投稿され、ネット上では《ジェンダーバイアスだ!》といった批判が寄せられた。その一方で《ただの言葉狩り》と、こうした批判への批判も少なくない。

「物議を醸しているのは10月29日のとあるXユーザーによる投稿で、このユーザーはアート引越センターを利用したといい、洋服を入れるための大きいダンボールを用意してもらったところ、箱の上部に大きく奥様メモと書かれた記入欄があることを発見。『驚愕しました』『前時代的すぎる』『服に口を出すのは「奥様」だけですか??????』とかなり衝撃を受けた様子です」(WEBメディア記者)

 この投稿にはネット上で賛否両論巻き起こっているが、アート引越センターによると「奥様だけが引っ越しに関わるといった認識で作ったものではない」という。1976年の創業当時は奥様が主体となって引っ越しの準備を進めることが多かったことから、利便性を考えて「奥様メモ」を用意したとのこと。なお、現在は時代にそぐわないとして「奥様メモ」は「内容メモ」に変更しており、順次切り替えを行っているところなのだとか。

「2017年から続いていたファミリーマートの『お母さん食堂』に《ご飯を作るのは母親と決めつけている》などと批判が寄せられ、女子高生らが“名前を変えたい!”とオンライン署名活動を行ったことなどもあって、その後『お母さん食堂』が『ファミマル』という新ブランドになった時と似ていますね。引っ越し準備をするのは奥様だけの役目じゃない。それは確かにそうですが、『奥様メモ』がそういった意味合いで付けられたものではないというのは明白ですよね。今年になって『奥様メモ』が登場したというのならジェンダー意識が低いと言わざるを得ませんが、昔から使われていたもので在庫の関係で切り替え中のものですから、そこまで声を大にして批判するようなことではないと思います」(フリージャーナリスト)

 何かとジェンダーが問題となる世の中だが、もう少しおおらかな見方も必要なのではないだろうか。

(小林洋三)

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