ここ数年、「将来なりたい職業」として子供たちの間で人気のYouTuber。1月10日、幻冬舎とトップアスリート社が運営する「13歳のハローワーク」が発表した最新の「人気職業ランキング」では1位のプロスポーツ選手に次いで2位に入っている。
だが、そうした人気とは裏腹に、現実はかなり厳しいようだ。昨年末から有名YouTuberたちが次々と22年の収支報告を行っているが、彼らのほとんどが前年よりも収入が減ったと語っているのである。
12月には仮面姿でおなじみのラファエル(チャンネル登録者数180万人)が、「広告収入は昨年の10分の1」と話し、ぷろたん(同209万人)は1月4日配信の動画で「先月の収益が5分の1に減った」と告白している。
また、20年、21年の大晦日RIZIN参戦で話題となったシバター(同122万人)も、21年の広告収入が2700〜3000万円と公開した上で、22年は「1500〜1600万円ぐらい」と、ほぼ半減したことを7日配信の動画で明かしている。
だが、その一方でホリエモンこと実業家の堀江貴文氏は動画で、「アメリカのGAFAM株崩壊みたいのはあって、あれで広告(収入が)減ったけど、そこまでじゃない」と大幅な減収はなかったとしている。
「ホリエモンに限らず、ビジネス系や医療系、勉強系などのYouTuberは実用性が高く、再生回数が稼げるんです。彼らの場合、現時点で大幅減収しているケースは少なく、収入をキープしているようです」(ITジャーナリスト)
これに対し、いわゆるエンタメ系動画は飽和状態。そもそも広告収入の単価自体が下がっており、何らかの分野に特化していないチャンネルは、今後の見通しも明るいとはいえない。
「今はお笑い芸人やタレントなど、話術と知名度を武器にするプロたちが番組制作会社、放送作家とスクラムを組み、本格的にYouTubeに参入していますが、彼らですら苦戦を強いられています。もはや簡単に稼げるプラットフォームではなくなってしまったのです」(前出・ジャーナリスト)
ネット上を席巻したYouTubeのバブルは、すでにはじけてしまっているようだ。