ユーチューバーのマネージメントや制作配信をサポートする「UUUM」の株価が爆上げしている。ここ3カ月ほどは3000~4000円台で上下していたが、1月15日には前日比12.9%プラスと高騰。取引時間中には上場来で初となる5000円台(※株式分割調整済)に乗せる場面もあった。翌16日の始値は5100円となり、さらなる上積みも期待される状況だ。
人気ユーチューバーの「HIKAKIN」が最高顧問を務める同社は前週末の11日、2019年5月期の連結純利益を上方修正。当初予測の5億2400万円から、前期比62%増の6億6000万円になる見通しだと発表していた。だが今回の株価高騰はこの業績予想が理由ではないという。週刊誌記者が指摘する。
「普通なら業績予想を上方修正すれば株価にはプラス要因になるもの。しかし動画配信がますます盛り上がる昨今、今回の上方修正はその上げ幅が『物足りない』と市場に判断され、週明け15日の朝方には利益確定売りが発生し、始値の4380円から4140円と下げていました。ところがここから一気に上場来高値の5070円に爆騰したのです」
利益確定売り後の買い戻し効果もあるものの、それだけではこの上げ幅を説明できない。実は今回の高騰には、人気アイドルグループの動向が影響していたというのだ。
「5人組アイドルグループの『神宿』は1月14日のワンマンライブにて、UUUMクリエイターに新加入したことを発表。当初はアイドル業界内の出来事として株価には反映されませんでしたが、15日にこのニュースが広まると、その期待感から株価を大きく上げる形となりました。株式専門サイトでも神宿の加入が上げ幅拡大に貢献したと報じており、アイドルの加入がプラス要因と捉えられているようです」(前出・週刊誌記者)
原宿を拠点に活動する「神宿」は2014年に結成。世間的知名度はまだ高くないものの、14日にスタートした新メンバーオーディションではUUUMのほか、ビッグエコーやDAM、タワーレコードやヴィレッジヴァンガードとコラボしている。しかも同オーディション自体がUUUMが運営するプラットフォーム上で開催されており、協賛企業との密接な関係を築いているようだ。
「ユーチューバーはまだまだ伸びしろのあるジャンルですが、新規の人材がどれだけ流入するかが成長のカギ。その一方で『SHOWROOM』のようにアイドルの動画配信で急成長したプラットフォームもあり、動画とアイドルは親和性が高いと見られています。それゆえ神宿のような今後の成長も見込まれる中堅グループとのコラボは、さらなる業績躍進にプラスになると判断されたのではないでしょうか」(前出・週刊誌記者)
これからは人気アイドルの動向が株価に影響するケースも増えてきそうだ。