この資格でナンボ稼げる?(21)お土産選びに差がつく「観光特産士検定」

 出張や帰省で地方に出かけた際に、お土産を買って会社の同僚や取引先にあげた経験はありませんか。

 お土産を渡すとたいていの人は喜んでくれますが、いざ自分がもらう立場になると「なんだかありきたりだな」と思うこともあれば、「こんなにおいしい銘菓があるんだ」と感心させられることもありますよね。

 私はさまざまな地域のご当地検定を受験していて、都内のアンテナショップが検定会場や公式テキスト販売店になることもあるためよく足を運ぶのですが、「この地域にはこんな特産もあるのか」という新しい発見がよくあります。

 前置きが長くなりましたが、今回ご紹介したいのが「観光特産士検定」。全国の食、土産物、駅弁、伝統工芸品など、特産品に関する知識が学べる検定です。

 それでは、実際に例題を見てみましょう。

〈問1〉まぐろとかつおが豊富にとれることから、「ツナ缶」の生産量全国一位を誇る地域は、①北海道、②高知県、③静岡県、④宮城県のうち何処?

〈問2〉古くから名刀の産地として知られる「長船町」がある県は、①奈良県、②京都府、③岐阜県、④岡山県のうちどこ?

 実際の問題は選択式や記述式で出題されます。試験レベルは4級~マイスター(旧1級)となっており、例題の答えは〈問1〉は③、〈問2〉は④です。

 私は3級に合格していますが、試験範囲が広いので覚えることが多く、「あれ、◯◯が有名なのは島根だっけ、それとも鳥取だっけ?」などと戸惑うようなこともあって、難易度は少々高めだと思います。

 しかし、この検定の勉強を通じて、各地の特産に詳しくなるメリットは大いにあります。初対面の人と雑談する際、相手の地元の特産品などに詳しかったら、喜ばれること間違いなしです。

 ちなみに、私は富山県出身ですが、「富山といえば薬とか魚ですよね」と言われることが多いです。しかし、ありきたりではない名産をホメられると「お、この人よく知ってるな」と、うれしくなりますよね。例えば「氷見市のはとむぎ茶って全国で人気みたいですね。私も好きでよく飲んでいるんですよ」など。また、富山は木製バットの生産量が日本一。南砺市には「南砺バットミュージアム」という変わった博物館もあります。

 ちょっといやらしい話ですが、こういう地元トークで盛り上がれば、取引先などとの距離もグッと縮まるでしょうし、うまくいけば「今度買ってきますよ」となるかもしれません(笑)。

 また、一流経営者の中には、日常的にギフトを贈る人も多いようです。それは何か見返りを求めるような、下心が見え見えの高級品ではなく、さりげない気遣いで相手の心をつかむ逸品だと聞きます。

「○○さんの前任地の富山の特産を買ってみました」と、お土産を渡されたら誰も嫌な顔はしないはず。いろんな場面で役立つ資格と言えるでしょう。

(すずき・ひであき)

マネー