50代からでも間に合う「リッチ脳」蓄財術(3)財布の中身確認で大きな変化

 こうした意識改革をすることで浪費を抑える一方、「ビンボー脳」に「リッチ脳」の神経回路を刻み込むためには、「金額に敏感になること」が重要だという。

「お金をためられない人の多くが、今財布の中にいくら現金が入っているのかさえもわかっていない、という場合が少なくない。昨日いくら使ったかわからないし、今日いくら使っていいのかもわからない。これは貧乏神が脳をハイジャックして、その人を『金額』に無頓着な人にしているからです。なので、まずは毎朝財布の中身を確認する。その場合、小銭もきっちり数えて確認する癖をつけるほうがいい。そうすることで、『お金』と『お金を支払うこと』に対する関心が養われていくのです」  

 また、家計簿アプリなどを使い、できるだけ支出を見える化したり、クレジットカードを最大限に有効活用することもお勧め。

「ぜひ試していただきたいのが、節約に成功したら頭の中で『〇円ゲット、チャリン、チャリン、チャリーン』と楽しげな音を響かせ、拳を天に突き上げ、大げさに喜んでみるんです。表情を動かすことにより、脳の認識は変わりますし、お金がたまることの快楽を繰り返し脳に体感させることが、リッチ脳を育てていく近道です」

 加えて、脳にはミラーニューロンというものまね細胞が存在するため、リッチ脳の友人と一緒にいるだけで、その金遣いを自然とマネするようになるのだ。

「反対に、ビンボー脳の友人ばかりに囲まれていると、ミラーニューロンがもたらす同調効果で、いつまでたっても無駄遣いが改められなくなる可能性もあります」

 可塑性がある脳は、同じ動作や思考を繰り返すことにより、その行動が簡単に取れるようになる。

「脳の癖が変われば習慣が変わり、行動も変わります。つまり、我々の脳はその気にさえなれば、いつでも変われるということ。そこがコンピューターと違う一番の利点です。だからこそ、お金を使う時は、どんな目的でどんなシチュエーションで使うかを明確にすること。そして、自分の望む人生とはどんなものかを考える。そうやって『後悔しない選択』を繰り返すたびに、頭の中の貧乏神の出番が減って、その存在はどんどん小さくなっていくはずです」

 いよいよ新元号「令和」のスタートを機に、あなたの脳の癖を変化させてみようではないか。

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