気候変動の影響!? リュウグウノツカイより珍しい深海魚が続々捕獲のナゾ

 FNNプライムオンラインが10日、「リュウグウノツカイより珍しい」謎の深海魚が富山県沖で捕獲された、とのニュースを伝えた。

 報道によれば、「アカナマダ」と呼ばれるこの深海魚が、富山県の射水市堀岡沖で定置網にかかったのは3月30日早朝のこと。海洋生物の生態に詳しいライターが語る。

「この魚は体全体が銀色で、飛び出た額と濃い赤色の背びれが特徴。よく話題になる『リュウグウノツカイ』と同じで細長く平らなことから、深海魚だと思われるものの、日本周辺での捕獲記録が数十例と極端に少ないため、未だ謎多き生き物だといわれているんです」

 ところが、富山での捕獲騒動の2日後(12日)、今度は福井県若狭町の常神半島で、またもや謎の深海魚「サケガシラ」が見つかった、と福井放送が報じたのだ。しかも、今回は生きたまま波打ち際を漂っている姿で、目撃した漁師によれば「口を3センチほどあげてパクパクしながら立ち泳ぎをしていた。今まで見たことがない感じで不気味だった」という。

 前出のライターが語る。

「サケガシラはタチウオのように細長く、大きな目玉と銀色の体が特徴の深海魚で、温帯の岸から離れた沖合の水深数百メートルの深海に生息していると考えられています。ただ、富山で見つかったアカナマダ同様、捕獲例が少ないため、詳しい生態は分かっていまぜん。今回目撃されたサケガシラは体長1・5メートルほどですが、実はこちらも、4月上旬、福井市内の海岸で相次いで2匹が見つかっているんです。普段目にすることのない深海魚が、近海で立て続けに目撃されたとなると、やはり海の中で何かが起こっている可能性は否定できない。地元漁師の間では、もしかしたら何かの前兆では?といった不安の声もあがっているようです」

 深海魚と言えばここ数年、何かと話題なのが静岡県の石廊崎と御前崎を結ぶ線より内側の海域である「駿河湾」だろう。近年、同湾ではさまざまな新種の深海魚が発見され、世界の海洋学者から注目されているというが、前出のライターによれば、

「駿河湾は、湾口の幅は56km、奥行きは約60kmで、最大水深が約2500mに達する、いわば『日本一深い湾』。深海と表層とでもっとも異なる環境条件は『光』ですが、太陽からの光は、赤色系が水深100mほど、青緑色系が水深720mほどを超えると、ほとんど届かなくなります。 しかも、深海では高い水圧も加わり、10m深くなるごとに1気圧ずつ高くなる。むろん、水温も深くなるほど下がっていきますが、駿河湾の場合、深さ1000mでだいたい3.5℃。おそらく富山や福井県沖はそれ以下のはずですが、日本列島周辺の海の水温は100年前に比べ1.1℃上昇していて、その水温上昇ペースはさらに加速していると言われますからね。そういった『海の温暖化』の影響で、生態系が変化し、本来はいないエリアまで深海魚を上昇させている可能性もある。つまり、今後、我々が見たことも聞いたこともない、驚くような深海魚が日本各地で登場する可能性もあるということです」(前出のライター)

 まさに、未知との遭遇は、もうそこまで来ているようだ。

(灯倫太郎)

*写真はリュウグウノツカイ

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