南半球に生息し、飛ぶことが出来ない海鳥として知られるペンギン。その愛らしいルックスから水族館では、常にアイドル的な定位置をキープし、ファンから愛されてきた。
ところが、その恋愛模様が複雑極まりないことから、京都水族館とすみだ水族館が、1月30日から、ペンギンたちの関係性を図式化した「ペンギン相関図2021」を公開。ファンの間から「昼ドラ以上のドロドロ感がある!」との声があがっている。情報誌のライターが語る。
「このペンギン相関図は、京都水族館で暮らす59羽のケープペンギンと、すみだ水族館で暮らす48羽のマゼランペンギンの飼育スタッフが日々の観察をもとに、性格や夫婦関係のほか、恋愛関係などの情報をまとめたものですが、驚くことに不貞、三角関係、同性カップル、略奪愛となんでもあり。なかには手練手管の恋愛テクを駆使してオスをたらし込む小悪魔的なメスや、恋人との破局後、血のつながった我が子とBLの関係に陥ってしまったオスまでいますからね。昼ドラなど足元にも及ばないヤバさですよ」
京都水族館では先ごろ「魔性の女」、いやいや、「魔性ペンギン」の世代交代が行われたとのことで、
「2020年まで魔性と呼ばれていた『てら(メス)』に代わり、『ろくじょう(メス)』が新・魔性ペンギンの座に就きました。さらに、『ちえ(メス)』と『かみ(オス)』が3年越しの恋愛を成就してゴールイン。一方『せん(オス)』は全てのナンパに失敗という悲しい記録を更新中のようです」(前出・情報誌ライター)
また、すみだ水族館でも、妻「ピーチ(メス)」の前ではイクメンを装いながらも、不貞を繰り返す「バジル(オス)」という豪傑ペンギンの存在が確認されている。
動物の生態に詳しいジャーナリストによれば、ケープペンギンは南アフリカ大陸に生息する体長70センチ、体重2.5キロから3キロほどの中型ペンギンで、一夫一婦制で一度ペアになると一生をともに過ごし、夫婦で協力しながら子どもを育てるという。一方のマゼランペンギンも、ペンギン全種の中ではカップルや夫婦の絆が強いことで知られている。
ではなぜ、そんなペンギンたちが不貞や乱倫に走ってしまうのだろうか。
「もちろん、すべてのペンギンがそうであるとは言いませんが、夫婦(つがい)になる前は徹底した自由恋愛主義で、なかには相手に夫や妻がいても、好きになったら一直線というタイプのペンギンもいます。また、ペンギンの離婚率は3%と言われるほど低い。その理由として、野生のペンギンは夫婦が協力して外敵から身をまもりながら子育てをするため、不貞に走る余裕がないという見方もできます。これはあくまで推測ですが、外敵のいない水族館という環境だけに、遊ぶ余裕ができてしまい、相関図でも作らないと説明しきれないような“ペンギン関係”が生まれてしまうのでは…」(前出・ジャーナリスト)
長引くコロナ禍でイライラが募るなか、たまには水族館でペンギンたちの、笑えて少しほっこりするユニークな関係性に触れてみるのもアリかも。それにしても壮大な相関図を完成させた飼育員さんの観察力には頭が下がる思いだ。
(灯倫太郎)