「皆様のおかげで登録者数70万人を超えました。ありがとうございます。適当に遊びでやっていたYOUTUBEがここまで来るとは、自分でもびっくりしております」
芸人のヒロシが、自身の運営するYouTube「ヒロシちゃんねる」において、登録者数が70万人を突破したことを報告したのは5月28日。1カ月以上ぶりとなる更新に、ユーザーからは祝福の声が多く寄せられた。
ヒロシが趣味であるソロキャンプ動画の撮影編集を行う同チャンネルをYouTubeにアップしたのは2015年のこと。以来、アウトドア・ファンの間で、じわじわと人気が広がり、再生回数100万回を超える動画も少なくなかった。ところが、そんな中で新型コロナが発生。感染が拡大し、キャンプ場も休業、キャンパーたちも自粛を余儀なくされる事態に。
「コロナ禍が起きてからキャンプ用品の需要が軒並み伸び“密”を避けて公園や自宅内でテントを張る家族も増えました。そのため、この時期だからこそ、と”にわかキャンパー”を取り込んでチャンネル登録数アップに躍起になったユーチューバーも少なくありませんでした。しかし、ヒロシさんは4月18日以降、1本の動画もアップしなかった。しかも、彼は自身で山を所有しているにもかかわらず『県またぎ』になるためひたすらガマンしていたとも伝えられています。おそらくは彼がベテランキャンパーとして、社会のモラルを守ったからだと考えられますが、その潔さと男気が、“なんもしない”動画更新ゼロでの登録者数増加に繋がったのかもしれませんね」(老舗キャンプ雑誌の編集著)
ちなみに「ヒロシちゃんねる」の最大のウリは、その淡々としたリアルさにあると言われるが、「最近のキャンプ動画は、大半がチームで作り込んだ動画をアップしているチャンネル。一方、『ヒロシちゃんねる』は、ヒロシさんが自分で撮影・編集することにこだわって作っています。だから、なかには火起こしの様子だけをひたすら映しているといった映像が度々登場します。つまり、彼が求めているのは、綺麗な景色ではなく、キャンプで試行錯誤する人間臭さ。そんな部分が垣間見えるところが、このチャンネルの魅力だと思いますね」(前出・編集者)
そんなヒロシが、5月30日、今年の正月に行ったという無人島キャンプの動画をアップすると、「ヒロシちゃんねる」には《久々の動画ありがとう》《すげーなー。無人島かっこいい》《やっぱりヒロシさんの声が安心する。画面には映ってないけど、なんでだろう。早くキャンプ場行きたいです》《オジサン達の理想郷ですね》といったコメントが殺到した。
「ヒロシです……」から、早15年。寡黙な男に熱い視線が注がれている。
(灯倫太郎)