メジャーリーグが開幕しない今、田中将大投手の「契約」に注目が集まっている。
田中が今季、7年契約の最終年を迎えたのは既報通り。メジャー挑戦以来6年連続2ケタ勝利をおさめ、ヤンキースもそのバツグンの安定感を高く評価しており、交渉は「残留」が大前提だが、米メディアはそうは見ていなかった。ペナントレースの行方次第では途中放出もあり得るというのだ。
「昨年オフのFA市場ナンバー1投手だったゲリット・コールも加わり、エース級が3人に。『1億ドルの先発陣』とも称されています。しかし、ヤンキースの投手陣、特に田中を含めた先発投手陣に対する評価は辛口です。昨シーズンの先発防御率は4.51と平均レベルでしたからね。ヤンキース独特の重圧感によるもので、コールもその重圧に飲み込まれてしまうのではないかと言われています」(特派記者)
メジャーリーグの残留交渉は最終年を迎えるのと同時に始まるものだが、もし、コールが不振にあえぐようならば、さらなる先発補強をしなければならないため、田中1人に高額年俸を約束できなくなる。その時には「田中が放出要員になる」とも予想されているのだ。
田中には「トレード拒否権」が認められているが、絶対NGではないらしい。となると、移籍候補となる球団はどこなのか。
「フィリーズですよ。フィリーズの監督は元ヤンキース指揮官のジラルディ氏です。田中のことをよく知っていますし、フィリーズがトレード先なら田中も応じるのではないかと見られています。ヤンキースと同じ東海岸に本拠地を置くチームでもあり、生活環境も大きく変わらないのではないでしょうか。一方で、田中は金額ではなく契約期間にこだわるとの情報も。田中は今季32歳。6年連続2ケタ勝利の安定感、実績があるとはいえ、3年以上の契約は厳しいと思いますよ」(前出・米国人ライター)
メジャーリーグはアリゾナ州に集結する無観客試合案など、ペナントレース再開に向けて動き始めている。「州知事に許可を取っていない」など具体的なマイナス案が出るのも、実際に動いている証拠というのが米メディアの見方だ。感染騒動による混乱により、好選手を集めたチームが勝つとは限らない。田中の再契約にも大きな影響が出そうだ。
(スポーツライター・飯山満)