今年もインフルエンザのシーズンがやってきましたが、日本茶に予防効果があると言われているのをご存じでしょうか。
昨年、飲料メーカーの伊藤園と静岡県立大学薬学部の共同研究チームは、緑茶に含まれるカテキンには抗ウイルス作用があり、季節性や新型のインフルエンザの感染を抑制できると発表しました。
ちなみに私の地元である富山県にも「ばたばた茶」といって、黒茶(発酵させた茶葉)に塩を入れて泡立てた有名なお茶があります。お茶の世界は奥深いですね。
そこで今回、ご紹介するのは「日本茶検定」。お茶の種類や健康効果、歴史、文化、おいしい淹れ方など、お茶に関する幅広い知識が学べる検定です。
前置きが長くなりましたが、例題を見てみましょう。
〈問1〉中国から日本にお茶が伝わったのは①飛鳥時代、②平安時代、③鎌倉時代、④室町時代のうちどれ?
〈問2〉農林水産省の調査によれば、昨年の日本の荒茶(茶畑でとれたままのお茶)の生産量は1位が静岡県、2位が鹿児島県となっていますが、3位は①三重県、②京都府、③埼玉県、④福岡県のうちどこ? 実際の問題は○×式、択一式で出題されます。インターネット検定なので、わざわざ試験会場に足を運ばなくとも自宅のパソコンで受検可能。例題の答えは〈問1〉が①、〈問2〉が①となっています。
この検定を受けることで得られる御利益は、まずはなんといってもお茶がもたらす健康効果を知ることができる点です。
まだ研究途上ではありますが、一説によればお茶には、老化防止、食中毒の予防、虫歯や口臭の抑制、血圧・血糖値を下げる効果があると言われています。
お茶好きが高じて、ビジネスを展開する人も多いようです。意外かもしれませんが、ここ近年ではお茶の製造・販売などを手がけるベンチャー企業やお店が多数登場しています。
オーソドックスなお茶で勝負する企業もあれば、さながらビールのようにクリーミーな泡が乗った水出し煎茶、日本茶をベースにしたオーガニックティーといったユニークな商品を開発したり、あるいは「日本茶×おにぎり」をコンセプトにしたカフェが話題になったこともありました。
海外での人気も右肩上がりで、昨年の日本茶輸出量は、前年比10%増の5102トン。こうした需要の高まりも、今後お茶ビジネスを展開していくには追い風になるでしょう。
「紅茶やチャイなど海外にもお茶はあるけれど、外国人に日本茶の渋味なんてわかるの?」と思う読者の方もいるかもしれませんが、英語にも「astringent(渋い)」という単語があるように、渋味の嗜みは日本人の専売特許というわけではなさそうです。
日本人にとってお茶はソウルドリンク。心身的、経済的にも生活に潤いをもたらしてくれるはずです。
鈴木秀明(すずきひであき)/81年生まれ。東京大学理学部、東京大学公共政策大学院を経て資格アドバイザーに。取得資格数は600