就任初日に26本の大統領令、連邦議会乱入で訴追された支持者1500人を恩赦…。「トランプ2.0」が最初から飛ばしつつある中、1月28日にはキャロライン・レビット新報道官が会見デビュー。「最も透明性が高い大統領」であるとして、「今後の会見には既存メディアだけでなくSNSなどのインフルエンサー、コンテンツクリエーターにも開かれる」と述べ、“政権の顔”としてまずは好評のスタートを切った。
時間にして約50分。言葉通り、新興メディアの記者も指名しながら、全体としてはスムーズに進んだとのことだが、トランプ政権のスピード政策を誇り始めたところで、ともすればトンデモと言える発言が飛び出した。
「バイデン政権によって行われようとしていた『途方もない税金の無駄遣い』が発見されたのでこれを阻止したというのですが、それはパレスチナ自治区ガザ地域に避妊ゴム5000万ドル(約78億円)分を配布する計画だったというのです。センセーショナルな内容から記者の関心を集めたのですが、真実性については疑問の声が上がっています」(外信部記者)
まず明確な根拠を裏付ける人が出てきていない。にも関わらず、異論だけは出てきているのだ。
「連邦政府の報告書には、23年に約820万ドル(約13億円)相当が世界への避妊ゴム配布に投じられたとの記述はありますが、大半はアフリカ向け。一方、ガザの人口は約210万人に過ぎず、そこに5000万ドルとは、金額の違いがあまりにも大きすぎるというのです」(同)
また翌29日には、ガザ地区で野戦病院を運営する非営利団体がマスコミに向けて声明を出し、過去に資金援助を得たことを認めたが、その使途は「民間人の救命医療」であって、「避妊ゴム配布」に使われてはいないとしている。
このように「5000万ドル」の根拠を示すものはなく、上がるのは否定する情報ばかりなのだとか。
さてこのレビット報道官、弱冠27歳で史上最年少報道官だという。金髪のロングヘアがチャーミングだが、“政権の顔”としてはいささか社会経験に欠けるという指摘もある。トランプ政権は、縁故優先のエコひいき人事が行われたが、さてはやらかしたか。
(猫間滋)