最近の子は外で遊べないからかわいそう…。新型コロナウイルスの感染拡大以降、そんな会話が多く交わされてきたはずだ。だが現実は、そんな悠長なレベルの話ではないことが、スポーツ庁が発表したデータにより判明。世間では子どもたちの将来を憂える声が出始めている。
「『令和3年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果(概要)について』というレポートが先ごろ公表されました。これは全国の小学5年生103万人と中学2年生98万人を対象とした調査で、実技テストは握力、上体起こし、反復横跳び、立ち幅跳び、50m走、ボール投げなどお馴染みのものなのですが、その結果が衝撃的だったんです。レポートには平成20年からの点数グラフが掲載されているのですが、平成30年まではほぼ横ばい、または微増で来ていました。特に中学生女子の体力はみごとに右肩上がりでした。ところが令和に入るとやや下降に転じ、令和2年に日本中がコロナ禍に覆われると、令和3年度の調査では小学生も中学生も男女ともガクンと急降下しているのです」(週刊誌ライター)
小学生では男女とも、上体起こし、反復横跳び、20mシャトルランの下降が激しく、中学生では持久走の落ち幅がとりわけ大きかった。確かに、コロナ禍になって体育の授業が減ったり、部活動が中止になったり、外で遊ぶ機会が激減したことが大きな要因のひとつだろう。ただ、子供たちの体力低下の理由はそれだけではないというのである。
「そもそも、コロナ以前にスマホの影響が挙げられます。テレビやPC、スマホ、ゲームに接する時間を『スクリーンタイム』と呼びますが、その時間がここ数年で飛躍的に増加しているのです。その分、運動時間は年々減少するばかりで、その影響か、小・中学生の男子・女子ともに、肥満の割合が急上昇しているのです。このままいくと、日本人の体力レベルは途轍もなく低いレベルで推移することになるかもしれません」(同)
中学生の「持久走」の数字はもはや老人なみ。コロナが理由かスマホが理由か分からないが、何とか下げ止まってくれるよう、来年度の数字が気になるところだ。
(飯野さつき)