例年以上の暑さとの予報も出ている今年の夏。相次ぐ物価高が家計を圧迫したことで避暑地に遠出する余裕もなく、どう乗り切るか頭を悩ませている人も多いだろう。だが、知らないだけで近所にもタダで過ごせる無料納涼スポットはたくさんある。
なかでも多くの人が思い浮かべるのは図書館だろう。全国の各自治体にあり、現在は駅や商業施設などに併設される複合型も少なくない。ただし、冷房の設定温度は環境省が推奨する28℃になっているケースが多く、暑がりの方にとっては屋外よりはマシでもそこまで涼しく感じるとは言い難い。
では、冷房がガンガンに効いている場所はどこかというと、まずはパチンコホール。夏場はパチンコ・パチスロ機からの放射熱を抑えるため、冷房の設定温度を低めにしているのだ。人によっては肌寒く上着を羽織っている姿も見かけるが、大型店や郊外型のホールなどでは十分な休憩スペースを設けている。漫画本などを置いているホールも多く、実際、遊戯せずに長居している人も珍しくない。
また、入場料無料の施設が多い競輪場も穴場の納涼スポットのひとつ。館内にはベンチも多く、お茶や水の無料サーバーも設置しており、水分補給もタダだ。競馬場やボートレース場は入場料が発生するが、100円でこちらでも安上がり。いずれもオープンエアではない建物内なら冷房も効いている。施設内の飲食店、売店には安いフードメニューが充実しており、ギャンブルをしなくても快適に過ごすことができるのも大きな魅力だ。
穴場といえば各地にある献血ルームも忘れてはならない。献血に協力する必要はあるが、終わった後は休憩スペースでのんびり過ごすことができるからだ。もともと献血後は水分の補給と10分以上の休憩がルールになっており、無料のドリンクのほか、一部施設はアイスクリームやお菓子なども提供。さらにパチンコホールのように漫画本を置いてあるところも多い。
この他、定期券を持っている人で確実に座って乗れる時間帯なら有効区間内を行ったり来たりして過ごす方法もある。いずれもせこいと思われるかもしれないが、探せばタダで過ごせる納涼スポットは意外とあるのだ。
※写真は、首都圏最大級の新宿東口献血ルーム。休憩スペースも広くて快適だ